ｓｓｔさんのレビュー

最後のシーンの設定が、原作と違って不可解である。人殺しが、のうのうと次の殺人を犯すようなシーンで終わるのは、韓国映画のようで不気味だ。ここで、殺人を犯した検事役のキムタクが捕まったり、この世から消えるとなれば、キムタクの新境地になると思ったが、キムタクのイメージは脱皮できなかったようだ。 全体的にストーリー(ラスト除く)はサスペンス好きにたまらない面白さで、二宮、吉高等の俳優の演技も見事である。特に、松重豊の演技が秀逸。

主演の蒼井優の体を張った演技が凄いし、関西弁も本当にうまい。特に、クズのイケメン男性に誘われると断れない女性を上手く演じている。阿部サダヲも中年の汚いオヤジ役がはまっていた。蒼井優が竹野内豊のイケメンジゴロに、金持ち爺さんに売られていくシーンで、小ぶりにヒップが映し出されるところがあるが、これがなかなか色っぽい。物語の意外な結末を含めて、この年の賞を総なめにしただけのことはある力量のある作品だと思う。

喫煙者の沢尻刑事、エスパー的能力で連続殺人を犯していく犯人、爆弾魔が絡み合って物語が進んでいくサスペンスだが、内容が飛び過ぎていてよく分からない。竹内結子、吉高由里子、蒼井優、満島ひかりなどが主演するサスペンス映画と比較すると相当見劣りする。 せめて、沢尻エリカの美脚を見たかったが、全く露出なし。スカート姿さえなし。演技力だけで勝負出来るとおもったのかな。ガッカリ。

淡々と物語が進みでいくが、特に盛り上がりもなく、あんなチンケな方法で催眠術がかかるわけでもなく、最低のサスペンス？だった。役所、萩原の出演でみたが、最近のサスペンスもののテレビドラマの方がはるかに作りがいい。