絶対零度さんのレビュー

セレブタレント「叶恭子」の初監督作品。彼女の理想とする「愛の行為（セックス）」を叶姉妹主演で映像化したモノで、これといったストーリーもなく、言わば「アダルトイメージビデオ」と呼ぶべき一本。愛を表現するにあたって「性別」「国籍」「人数」をいっさい問わない所が、まさに「叶姉妹流」である。もっとも、裸になるのは、相手役を務める外国人モデルのみで、肝心の叶姉妹の露出は、イメージビデオに毛が生えた程度。ヌード写真集を出版した事もある彼女達だけに、脱ぎっぷりの悪さには、余計に「失望感」を感じる。

かつてセレブタレント「叶美香」が出版した２冊のヌード写真集「SWEET GODDESS」「SWEET GODDESS２」をデジタル化（ＤＶＤ化）した作品。基本的に、写真集の内容をそのまま「スライドショー形式」で見せている。まさに「ＢＧＭつきの写真集」といった印象。それでも、時折、静止画から「ショートムービー」へと発展する。映像が非常に綺麗なため、「一時停止ボタン」を駆使すれば、「お気に入りの一枚」をたっぷりと眺める事が出来る。写真集２冊分の内容をＤＶＤ一枚で収められるという意味では、「省スペース」には、もってこいであるが、本編が３０分強というのは、やや物足りないモノがある。

ある日、主人公の中年男「諏訪（奥田瑛二）」は、電話横のメモに書かれていた妻「沙夜子（荻野目慶子）」からの謎のメッセージ（『みんな月でした。がまんの限界です。さようなら』）を発見する。妻の失踪を知った諏訪は、すぐに義弟のチンピラ「アキラ（北村一輝）」に連絡するが、遊び人の彼にそのままソープランドへと誘われる。アキラの口利きで「組関係」の仕事をする一方、親しくなったソープ嬢「由美（吉本多香美）」と同棲を始める諏訪。やがて諏訪・アキラ・由美の三人は、姿を消した沙夜子を探す旅へと出発する。全編にわたって「暴力」と「セックス」に彩られた世界は、まさに原作者である「花村萬月ワールド」というべきか。また、ソープ嬢役を務める吉本多香美の鬼気迫る演技が素晴らしく、特に、想いを寄せる諏訪の目のまえでアキラに「ガラクタのように」キッチンで犯されるシーンは、秀逸である。

元芸能人のノン子（坂井真紀）は、マネージャーの夫（鶴見辰吾）と離婚後、実家の神社で家事手伝いをしている。ある日、神社の祭でひと山当てようと考えている若者「マサル（星野源）」に声をかけられたノン子は、しぶしぶ彼の面倒を見ているうちに、そのまま行動を共にするようになる。仕事上の「復縁」を迫る元夫と性的関係を持つ一方で、自分を純粋に慕ってくれるマサルに身体を許すノン子。地元の有力者に出店を断られた腹いせにチェーンソーを振り回して暴れ回る等、マサルの行動は、すべてにおいて「直情的」である。３６歳で無職のヒロインと共に、決して「共感を得る」タイプのキャラクターではないが、それ故に、実に異色のラブストーリーとなっている。また、二度の濡れ場で大胆なヌードを披露した坂井真紀の女優魂が光っている。

３０代のアロマセラピスト「ユリ子（江口のり子）」は、ある日、オーナーの甥っ子「徹也（染谷将太）」の若き肉体から発せられる「汗の匂い」を嗅ぎ、えも言われぬ性的興奮を覚える。その後、街中で偶然見かけた徹也の跡をつけていったユリ子は、廃工場で昼寝している彼の頭髪にそっと舌を這わせる。途中で徹也に気づかれ、慌てて逃亡したユリ子であったが、後日、彼の方から「あの時の続き」を求めて、面会にやって来る。極めて特殊な性癖を持つユリ子による「ただ汗の匂いを嗅ぐだけのセックス」は、なんとも斬新といえる。途中、女性客役のＡＶ女優「原紗央莉」のヌードシーンがあるが、ヒロインののり子嬢は、あくまで「脱がない」方針を貫いている。

建設会社で働く地味なＯＬ「純子（安井紀絵）」は、ある日、渋谷の路上でＡＶのスカウトを受ける。平凡な毎日を変えたい一心で撮影に参加した彼女は、「桜沢ルル」という芸名を与えられ、人知れずＡＶデビューを飾る。一方、事務所の先輩女優「栗原綾乃（佐久間麻由）」は、最初こそ、「覚悟が足りない」ルルに冷たく当たっていたが、次第に、ひたむきな彼女と真正面から向き合うようになる。その後、一人の熱狂的なファンによって、ＡＶ出演が明るみに出ると、会社をクビになったルルは、よりハードな路線（陵辱モノ）へと転向を決意する。本編では「腹をくくってやれ！」と叱責する役目の麻由嬢であるが、実際のＡＶ撮影シーン（濡れ場）は、ヒロイン役の紀絵嬢に、ほぼすべて「丸投げ」した形となっている。とにかく、主演女優としての「職務」を全うした安井紀絵の頑張りが光る一本。

Ｈカップの爆乳アイドル「山咲まりな」主演によるイメージビデオ。９３ｃｍのバストは、いわゆる「垂れ乳」で、完全に「地球の重力に負けている」といった印象。また、乳房の柔らかさは「マシュマロ」を通り越した「スライム（ほぼ液状）」である。それだけに、乳揺れシーンの迫力は、まさに「圧巻」の一言。前半のニプレス姿での運動シーンでは、まるで何かの「生き物」のように自慢のＨカップが上下左右に躍動する。さらに、後半は、「ローション乳揉み」「疑似エッチ」といった、アイドルらしからぬハードプレイに堂々と挑戦。スタイルこそ、やや「マニア向け」であるが、好きな人にはたまらない「わいせつボディー」といえる。

江戸川乱歩の原作（『妻に失恋した男』）を清純派女優「宮地真緒」主演で映画化した一本。親の遺産で悠々自適な生活を送っている若き資産家「南田（柳憂怜）」は、ある日、妻「みや子（宮地真緒）」の浮気疑惑を夫婦のかかりつけの歯科医「琴浦（大浦龍宇一）」に相談する。琴浦の依頼を受けて調査を始めた探偵明智小五郎の妻「文代（星野真里）」は、やがて依頼人とみや子の「ただならぬ雰囲気」に疑問を抱き始める。診察があるたびに担当医師と「性交渉」を重ねる魔性の女をヒロイン役の宮地真緒が体当たりで演じている（ヌード解禁）。真緒嬢のエロティックなセックスシーンだけでも十分に見る価値がある。

派手な私生活で知られるダイナマイトボディーのセレブタレント「叶恭子（『叶姉妹』の姉）」原作による官能映画。ローマの片田舎に暮らしている花屋の娘「ジョルジャ（マリア・コッキャレッラ・アリスメンディ）」は、ある日、配達先のヴィラで、白昼堂々、若い男と野外セックスに耽る謎の東洋人「ココ（叶恭子）」と遭遇する。後日、再び配達に訪れたジョルジャは、ベッドでうたた寝をしていたココの妖艶な肢体に理性を奪われ、そっと唇を重ねる。叶恭子演じるココは、ヒロインに性の手解きをする魔性の女といった人物。肝心の本編は、内容に乏しく、言うなれば「多少ストーリー性のあるイメージビデオ」といった印象。また、本作の最大の売りである恭子嬢のベッドシーンは、時間が極端に短い上に、なるべく裸体がはっきりと映らないようなカメラワークになっている。

Ｆカップの清純派グラビアアイドル「佐藤寛子」主演によるネオ・ノワール映画。高齢者相手に保険金殺人を繰り返している美人母娘（大竹しのぶ、井上晴美、佐藤寛子）の破滅を暴力的なタッチで描いていくという内容。オープニング早々、「レイプ」「殺人」「死体解体」というショッキングな場面の連続である。そして、本作の「最大の目玉」は、ヒロイン役を務める佐藤寛子の「初ヘアヌード」。前半のシャワーシーンを筆頭に、全編にわたって、見事な脱ぎっぷりを披露する。竹中直人相手の濡れ場でも、バストトップを完全にさらして迫真の演技を見せる。かつて「清純派」として人気を博した彼女が「必要以上にヌードになる映画」という意味では、まさに「お宝動画」といえる一本。