ペペロンチーノ鷹さんのレビュー

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101-120/706件

セブン・イヤーズ・イン・チベット

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セブン・イヤーズ・イン・チベット

投稿日 : 2010/11/12

ラマ

チベットを舞台に、ブラピ演ずるオーストリア人登山家とノーベル平和賞のダライ・ラマの若い頃の交流を綴った自伝の映画化。監督ジャン=ジャック・アノー、音楽はジョン・ウィリアムズ、チェロ演奏はヨーヨー・マ。 ヒマラヤ登山に向かった登山家ハラーは大戦の影響でチベットから出られなくなってしまう。困窮を極めながら放浪するうちに曲折を経てダライラマと出会うことになる。7年間もの間流刑の如く異国の地での生活を強いられながらも、人々との出会いや心のふれあいを通じて培われた友情の絆が描かれる。山岳の自然など迫力のある景色が楽しめる。 この映画のお蔭でブラビは中国出入り禁止らしい。

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クヒオ大佐

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クヒオ大佐

投稿日 : 2010/10/27

コスプレ

米空軍の大佐に扮した男が次々と女を騙して約一億円も騙し取った実話の映画化。米軍の制服とかたことの日本語で日系アメリカ人という設定。軍事に関する知識はかなり詳しく、漫画の沈黙の艦隊から仕入れているらしい(?)。 かなり昔の話らしいが、制服を着ているとそんなに簡単に騙されてしまうものなのかとある意味関心する。現在のコスプレ流行にも通ずる、欧米文化への憧憬の屈折した現れとでも言うべきか。 空き巣など犯罪でも料金調査や工事関係の制服を着ていると怪しまれないというから、やはり衣服は第一印象を決める重要な要素であり、それだけでその人の評価も左右されてしまう。 似たような映画でキャッチミーイフユーキャンというのがあったがどこの国でも同じようなことを考える者がいるものだ。 堺雅人がなかなか。南極料理人とゴールデンスランバーも面白かったですよ。

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エネミー・オブ・アメリカ

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エネミー・オブ・アメリカ

投稿日 : 2010/10/25

NSA

Wスミス演じる弁護士が偶然に受け取ってしまった映像データの為にとことんNSAに追われる逃走劇。GPSや監視カメラ等を駆使したNSAの水も漏らさぬハイテク追跡網から逃れる事は極めて困難。この映画のテクノロジーは勿論絵空事でなく現実だ。もう10年も前の映画だが陳腐化しておらず、現在はどこまで進化していることやら底知れない。身近なところでは例えば携帯を持っているだけで位置情報は把握はできてしまう。米国では海外秘密情報監視法の改正も既に可決しており、世界のプライバシーは衛星からネットから監視カメラからデータベースから網羅されていると言っても過言ではない。広場の集音マイクやブリルの仕事場などカンバセーションへのオマージュが見てとれ、あの映画のGハックマンのその後のようで懐かしい。情報化の波は益々加速し止まる事を知らない。あなたのプライバシーもいつの間にか監視されているかもしれませんよ…

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サンキュー・スモーキング

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サンキュー・スモーキング

投稿日 : 2010/10/18

ニコチン

最近、煙草の値上げで禁煙ビジネスが盛んらしい。そもそも煙草とは何か。起源はアメリカインディアン、15世紀コロンブスの新大陸発見に遡る。つまりそれ以前は欧州はもとよりアジアにも存在しなかったのである。酒などに比べれば意外に歴史が浅く、比較的新しい部類の嗜好品である。 本作曰く映画の歴史とも煙草は密接な関係にある。1920年代トーキーが始まって以来、サイレント映画の身振りが必要なくなり、間を持たせる為の小道具が必要になった。そこで俳優に煙草を持たせた所これが大受け、人気スターがお洒落に燻らす煙草を真似して喫煙者が大幅に増大したという。 しかし、近年では規制強化される傾向にある。映画でも喫煙場面は成人指定すべきとの意見もあるという。 確かに健康的とは言い難いので、これを機会に禁煙してみるのもいいかもしれない。 この映画は擁護側と批判側の煙草を利用する者達の辛辣な示唆に富んでおりなかなか面白かった。

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波止場 コレクターズ・エディション

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波止場 コレクターズ・エディション

投稿日 : 2010/09/22

On The Waterfront

当時赤狩りで叩かれていたカザン監督の意欲作。プロレタリア映画のようで当時としてもハリウッド的ではないだろうが、内容的にもスタイル的にも、色を付けて現代の映画として良いくらい普遍性がある。ブランドはまた「欲望~」の様な肉体労働者の役。日雇い仕事を労働者に提供する湾港組合を仕切る幹部の腐敗と、嫌々ながらもやがて兄の惨殺を契機に立ち向かうことになる主人公テリーのストーリー。皮相的ではないリアリズムの、一見何を考えているか分からない自然な演技、曖昧な現実を表現し内面を観客に読ませるブランドは流石。撮影時、ブランドは母の死の心労から精神療法を受けており、役になりきる演技も相当ストレスになっていたのでは。マルデンとの息の合った遣り取りや、脇を固めるスタイガーやコッブの渋い演技も見応えがある。コッブの最後のI'll be back!が印象に残る。音楽はレナード・バーンスタイン。

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乱暴者

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乱暴者

投稿日 : 2010/09/02

The Wild One

グラサン、革ジャン、ジーンズ、ブーツでレーサー紛いの与太者達がバイクを乗り回す。西部劇の馬をバイクに置き換えたようなものだ。だが正義のガンマンはおらず、あるのはチンピラの抗争と暴力沙汰だけで、その事件を坦々と描いた不毛な話である。反社会的な内容から、米国ではジーンズの着用が禁止になったり、英国では長年公開が認められなかったりした。 しかし、後世に与えた影響は恐ろしく多大だった。米軍の服だったジーンズがこの映画やその後のJディーンによって流行した。不良スタイルが全世界に広まりバイカー、ロッカーが勃興、日本ではカミナリ族が暴走族の起源になった。そして、あの誰もが知っているビートルズの名前の由来はこの映画から来ている。 反社会的な行為は許されてはならないが、確かにブランドの格好良さは分かる。 時代の破壊者であり創造者であったMブランド、時代を変革するのはこういったアウトローだったかもしれない。

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欲望という名の電車

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欲望という名の電車

投稿日 : 2010/08/28

Tシャツ

ピュリッツァー賞戯曲の映画化、Mブランドの出世作。英国伝統的演技のVリーとメソード演技のぶつかり合いが生んだ傑作。当時はTシャツは下着だったがこの映画の影響で普段着として流行した。零落した上流階級をリーが見事に演じ、あのスカーレットがとの落差もショッキングだったのだろう。イギリス俳優独特の詩でも吟じているような優雅な台詞回しに対して、肉体労働者のブランドはパッツンパッツンのシャツと二の腕を見せつけ荒くれぶりをセクシーに醸し出し感情を全身で爆発させる。かつてないタイプのヒーローの誕生であった。最近の言葉で言うと肉食系か。だが、今見ても生々しさに目を背けたくなるようなDVで、お子様にはお勧めできない。ヘイズコードで徹底的にカットされたそうだ。テーマとしては、貴族の没落と庶民の台頭、ブランチの言う通り、死の対極は欲望であり、欲望は電車のように止まることなく死ぬまで続く、ということだろう。

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善き人のためのソナタ

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善き人のためのソナタ

投稿日 : 2010/08/19

監視

冷戦時の東ドイツ、秘密警察シュタージと人間の生きる意味を描いた傑作。シュタージのヴィースラー大尉は、体制維持のため人間を物同然に扱う冷酷な歯車としてその辣腕を振るってきた。体制こそ正義であり、であるべき事を要求する全体主義を心から信奉している。そんな彼はある日、反体制の疑いある劇作家の監視の任に当たる。静寂に満ちた空間で盗聴音声だけが響く中、盗聴記録に専念する彼は静謐で崇高な職人の佇まいさえ漂わせる。一般には嫌悪すべきプライバシーの侵害者であるにも拘らず、彼は美しい。しかし、芸術活動を通して誠実に美を追及する芸術家達を監視するうち、体制への揺るぎない忠誠と職務への信念が少しずつ揺らぎ始める。利欲保身の為に手段を選ばない支配者達と、監視される者達の果たしてどちらが正しく、どちらが悪なのか?。やがて頑迷な機械は人間愛に奔る。人が生きる意味とは何なのか。それは、人を愛するため、に決まっている。

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ベンジャミン・バトン 数奇な人生

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ベンジャミン・バトン 数奇な人生

投稿日 : 2010/08/19

寿命

アカデミーに13部門ノミネートされ、主要部門以外3賞受賞の残念作品だが、フィンチャー監督の一風変わった作品群にまた一つの映画が加わった。 このベンジャミンバトン、老人に生まれて赤子として亡くなるという設定なのだが、1918年に生まれ2003年に没し85歳まで生きたので、生まれた時の身体は85歳相当の状態だったのだろう。すると逆に考えれば85歳までは生きられる保証のもとに生まれたのか。最近の米国男性平均寿命は75歳程なので、長生きの方である。お迎えがいつか分かっていれば人生の設計も楽だし、その意味では必ずしも悲劇ではないかもしれない。 話は逸れるが、細胞の減数分裂の関係上、人間の寿命は最大で120歳程度だそうである。最近話題の不明長寿者は100歳以上、平均寿命の計算には入っていないようだが、そんな有様で世界有数の長寿大国を誇る事に、どうしても首を傾げてしまうのは感情論だろうか。

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DEATH NOTE デスノート the Last name

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DEATH NOTE デスノート the Last name

投稿日 : 2010/08/10

唯名論

独創的な設定や駆け引きが良くできていて引き込まれる。原作漫画を読んでいない大人でも十分に楽しめ、少年誌でもここまでやれるとの気概に満ちている。 名前をノートに書くと人が死ぬ訳だが、偽名には通用しない点が核心部になっている。 名前という普遍的なアイデンティティを中心に持ってきた所には作者の洞察力の深さを感じるが、ふと浮かんだ疑問は、複数名前を持つ場合どれが本当の名前になるのか。例えば、明治より前の時代には名前は複数持てた。現在でも結婚後の改姓、長く使った通称への改名、国籍が複数等多言語の名前を持つ場合や、日本語だけでも新字体と旧字体の微妙な違いなどがある。戸籍上の名前なのか、それとも自分がこれだと信じている名前なのか。 大多数の人の名前は一つであるしお話なんだからそこまで突っ込むな、と言われそうだが、名寄せなど現実の問題でもあるし、個人的な興味としてはその辺を掘り下げたら更に良かったと思う。

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ターミネーター4

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ターミネーター4

投稿日 : 2010/07/27

アンドロイド

あまり期待しないで見たのだがやはり普通だった。 クリスチャンベールとアバターに出てたサムワーシントンという人が頑張っているのだが、やはりシュワの存在感に匹敵するわけもなく、3までの残像を引き摺っているような残念感が漂う一作。 人と機械の融合?みたいなものを描きたかったのかもしれないがどうも消化不良な印象。個人的には人と機械はいつまでも平行線のような気がしている。 ムーアの法則で集積回路の処理能力が人間の脳機能を上回り技術的特異点に至る時代が到来するとき、人間の存在意義等が云々との話が以前あったが、このシリーズの機械対人間の構図はそんな支配欲の裏返しともとれる本能的な恐怖のモデルだろう。 ただ、人間と世界の接点を網羅的にプログラミング表現できるものかどうか、甚だ懐疑的だ。 出来たとしたら、それこそそれは神に等しいのではないか。

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NIGHT HEAD 1

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NIGHT HEAD 1

投稿日 : 2010/07/23

アスペクト盲

人間が使用していない、70%の眠ったままの脳「NIGHT HEAD」。 動的な超能力を持つ霧原直人と、静的な超能力を持つ霧原直也の兄弟は、幼い頃から人里離れた山中の研究所に隔離されていた。二人は施設を脱走するが、外界では人と違う二人を受け入れる者はおらず、二人も誰も受け入れることが出来ず絶望するばかりであった。 そんな二人を導くかのように現れる謎の少女、そして古代文明とは。果たして二人は求めるものを得られるのか。 超能力あれば楽チンと思いがちだが、他者と分かり合えないが故の苦悩がリアリスティックに描かれもっともらしい超能力もので斬新だった。 この局ドラマは面白いのにねぇ。

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20世紀少年<最終章>ぼくらの旗

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20世紀少年<最終章>ぼくらの旗

投稿日 : 2010/07/19

半世紀少年

延々と1から3まで見たが、最初から最後まで訳が分からない話だった。俳優はいいとして、元のマンガがそういう話なのか。大変人気があるとは聞いているが、映画3本に納めきれないボリュームだったからかどうか、荒筋としては全く荒唐無稽極まりないシナリオ。 そもそもともだちなる人物になぜそれほど魅力があるのか具体的に示されておらず納得がいかない。予言書の存在意義が終盤でほとんど無くなってしまっている、何故人類を支配した次には人類を滅ぼす必然性があるのか、ともだちの正体も最後まで引っ張った割には拍子抜けしている。 懐かしいヒーローもののバッジなどレトロなガジェットが鏤められており、懐古趣味を抱かせる作りはなかなか巧い。対象としては大阪万博華やかなりし時代の少年、現在の40代位の人々だろうか。 トータルとしてカルト的なプロパガンダには注意しよう、という警鐘にはなっているのかも知れない。

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レッドクリフ PartII-未来への最終決戦-

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レッドクリフ PartII-未来への最終決戦-

投稿日 : 2010/06/02

奇門遁甲

孔明、風を祈る。 ということで、三国志の映画化で、これまで結構三国志は映像化されていたが、有名監督・俳優で過去最高のヒットとなった。 内容的には演義でも正史でもないようなオリジナルな創作あり、結構バイオレンスな過激な戦闘シーンあり、日中俳優共演ありで、金城の孔明は割とイメージに適っていたと思う。 三国志と言えば、日本でも古くから古典として親しまれてきており、家康ら多くの戦国武将も愛読し範としたという。時代を経た今でも、我々は彼らと同じ古典を読み、同じ心情を共有することが出来る。古典の素晴らしさである。 蛇足だが諸葛孔明は諸葛亮孔明ではなくあくまで諸葛亮か諸葛孔明でなければならないので間違わないよう。

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銀河英雄伝説 VOL.7

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銀河英雄伝説 VOL.7

投稿日 : 2010/05/26

覇権

最近アニメがブームのようだが、子供向けというか、軽薄なものが多いように感じる。児童が等身大の自分を投影できる作品はアニメというジャンル的には重要なのだろうが、日本のアニメ的にはエバンゲリオンなどはまだいいとして、こういった優れた原作に裏打ちされた壮大なものもいいのではないだろうか。 内容的には昔流行ったスペースオペラに歴史物をミックスしたような印象だが、人間関係や社会構造の普遍性を宇宙時代に舞台を置き換えて表現しており、緻密な設定や文学的言い回しなどベストセラーだけあって秀逸。 テクノロジー描写などは陳腐化していく部分もあるだろうが、覇権を巡る戦国絵巻はこの先何十年経っても面白くあり続けるし、後世の歴史家にも受けがよいのではないか。

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スター・トレック スペシャル・コレクターズ・エディション

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スター・トレック スペシャル・コレクターズ・エディション

投稿日 : 2010/05/19

ミスタースポック

スタートレックゼロとでも言うような宇宙大作戦オリジナルとも少し違う別宇宙のパラレルエピソード。 ザカリークイントのスポックが昔の若い頃のスポックに雰囲気が似ていて懐かしい。 マッコイやスールーなどオリジナルメンバーも新キャストで再現している。 音楽もテレビ版と同じで、レナードニモイが出ているのがファンには何とも嬉しい演出だ。 毎回宇宙人が当然のように出てきて戦ったり誘惑したりするサスペンスフルかつどことなくほのぼのとしたあの宇宙観はSWはじめその後の宇宙もの映画に多大な影響を与えたことは言うまでもない。 スポックに比べてカークが一寸違う感じで、内容的にもより大風呂敷だが楽しめた。

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レ・ミゼラブル

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レ・ミゼラブル

投稿日 : 2010/05/19

ジャンバルジャン

たった一切れのパンのために・・・ という事であまりにも有名な小説の映画化で、フランス文学の英語化で、他にも何度も映画化・テレビ化・舞台上演されていて、当然原作に比べればかなり端折っている訳だが、名作を映画化しようという試みは、映画ファンとしては無碍に否定するべきではないかと思う。 執拗に追っかけるジャベル刑事とジャンバルジャンがやはりよく、結末が分かっていてもやはり涙が出てしまう。 追及する者と克服しようとする者の相克は永遠のテーマかもしれない。

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最高の人生

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最高の人生

投稿日 : 2010/05/19

贖罪

殺人を犯してしまった主人公が22年の服役を終え出所した。 出所するよりも刑務所に残ることを望んでいた主人公が社会に出てしたかったこととは。 ジャンバルジャンみたいな話で殺人なので少し違うが、いつもながらモーガンフリーマンの存在がやはり効いている。40代位になって、前科者が出所したところで社会での居場所を見つけることは困難だろうし、何度も刑務所を往復する人もあるだろう。だが勇気を持って償い続ければ可能性はなきにしもあらず、と少し救いのある映画。

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生きものの記録

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生きものの記録

投稿日 : 2010/05/19

不安

大きな鉄工所を裸一貫で興した中島は、原水爆への恐怖心から家族に猛反対されながらもサンパウロへの移住を計画する。家族はそれを阻止しようと中島を準禁治産者にしてしまう。 中島の茫漠たる不安は被害妄想と言い切れるのだろうか。確かに常識的に考えれば、まず落ちることはないだろう。 しかしその所謂常識の内容である、今まで繰り返し継続した生活の中での知識や歴史から得た経験則は、どの程度の確度で過去の事実から未来を把握し得るのか。 例えば、広島長崎に原爆が落ちることは、落とす当事者以外は誰にも予想できなかった。 歴史上前例がないとしても、その時点の地政学的リスクは以前より増大しているかもしれないし、原爆が落ちないという保証も何処にもない。 不安と常識は相反する。 危機を事前に察知し回避するためには、現状認識のアンテナをよく張り巡らせ、十分に対処するしかない。平和と安全はタダではないのだから。

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ギミー・ヘブン

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ギミー・ヘブン

投稿日 : 2010/04/07

アプリオリ

催眠術か何かでどんどん人が自殺していく話だが、その方法が不明だったり何度も出てくるサインが思ったより大した意味がなかったり、内容的にはちぐはぐな部分があり全体としては拍子抜けな印象。 ただ、核心部分となっている共感覚というものは実際に存在している。具体的には音に色を感じたりするらしい。絶対音感という聴いただけで音程を判断できる能力があるが、割と曖昧な聴覚より人にとって最も明瞭判然な視覚で把握する方が、そういう場合には好都合かもしれない。 過去の著名な芸術家などにもこの知覚の持ち主がおり、リストやランボーなども共感覚だったようだ。10万人に一人くらいいるらしいので、意外と身近にいたりするかもしれない。 この映画で重要なことは、人それぞれ、必ずしも同じ感性で事象を認識してはいないということである。分かり合えているつもりで、側でお互いを共有しているつもりでも、人は案外違うことを考えているものだ。

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101-120/706件

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