絶対零度さんのレビュー

小谷野敦氏の自伝的小説「童貞放浪記」を個性派俳優「山本浩司」主演で映像化した作品。東大卒の主人公「金井淳（山本浩司）」は、大学の専任講師としてそれなりに順風満帆な人生を送っているが、唯一のコンプレックスは、「３０歳にして未だに童貞」である事。なんとか童貞を卒業しようと、繁華街の風俗店を訪れるが、プレイの最中になぜか「血尿」が出て、あえなく作戦失敗。その後、出張先で大学院時代の後輩「北島萌（神楽坂恵）」と再会した彼は、雑誌の恋愛マニュアルを頼りに、一世一代の猛アタックを開始する。肝心の恵嬢の濡れ場は「２回」と少ないが、その分、二度目のシーンでは、かなりの長時間、一糸まとわぬ姿（全裸）を披露している。また、ＡＶ女優「結城リナ」を筆頭に、「お色気担当」のキャスト達が随所で物語に「エロスの華」を添えている。星５つは、あくまで「あの神楽坂恵が脱いだ」という意味での評価。

Ｉカップグラビアアイドル「神楽坂恵」の初主演映画「童貞放浪記」の撮影舞台裏に迫ったドキュメンタリー企画。主演男優との初顔合わせから完成披露の舞台挨拶までの一年間を追った極めて真面目な内容で、ナレーションのトーンも実にシリアスである。肝心の恵嬢のヌードシーン（いわゆる『濡れ場』）は、映画本編とまったく同じ場面を別角度から遠巻きに撮ったモノで、この作品（メイキング）だけで見られる「未公開ヌード集」等はいっさいなく、「夜のおかず的な映像」を期待しているとかなりの肩すかしを喰うはめになる。また、本編のＤＶＤ自体に、特典映像として１５分を超えるメイキング映像がついているため、よっぽどの神楽坂恵ファンでもなければ、正直、無理して観る程の作品ではない。

松田美智子原作の小説「女子高校生誘拐飼育事件」の映画化第７弾。「完全なる飼育」というタイトルとシリーズ恒例の「竹中直人のゲスト出演」以外は、過去の飼育シリーズとは、まったくの別物と呼べる作品。今回は、おたくの聖地「秋葉原」を舞台に、メイド喫茶で働くヒロイン「苺ちゃん（亜矢乃）」と漫画喫茶の若き雇われ店長（柳浩太郎）との歪んだ愛とセックスを描いている。サンズエンタテインメント所属の現役アイドルによる大胆なヌードといわゆる「濡れ場（セックスシーン）」における３Ｄ映像の部分的使用（本編は２Ｄと３Ｄが混在）で、公開当初はそれなりに話題となった作品。監禁場所として「漫画喫茶の個室」を使用する等、秋葉原ならではのシチュエーションが随所で見られ、まさに「次世代の飼育シリーズ」というべきか。飼育女優「亜矢乃」の脱ぎっぷりは素晴らしいが、シリーズの肝である調教シーンは、ややソフト。

着エロアイドル「石川優実」と「浜田由梨」によるコラボレーション企画。グラビア不毛の時代にいわゆる「お菓子系雑誌」をリリーフエースとして支えた優実嬢とアイドルユニット「絶対乙女（相方は『寿エリカ』）」としての活動でも知られる由梨嬢。オープニングでは、「横乳」の見えるゆるいコスチューム姿で、グラビアポーズの研究をする二人。お互いにグラビア界の「オモテとウラ」を知り尽くした苦労人とあってか、メジャー系の人気アイドルにはない「着エロ女優独特のしたたかさ」が全開である。特に、元お菓子系クイーンの優実嬢の「押しの強いパワートーク」「なんのためらいもない脱ぎっぷり」「アイドルとは思えない愛想のなさ」は、強烈。また、一見、大人しそうに見えるが、「５歳年上」の優実嬢相手に気が抜けるくらいの脱力感で対峙する由梨嬢の「落ち着きぶり」は、見事といえる。

７０年代のニューファミリーを描いた名匠「藤田敏八」監督による青春映画。主人公のしがない配達員「高木勇一（奥田瑛二）」は妻「君江（高沢順子）」に家出され、なす術もなく途方に暮れていたが、ひょんな事からとあるロックグループの追っかけ少女「田口彩子（森下愛子）」と知り合いになる。後日、彩子が勝手に盗んだ宝物のカメラを取り戻すため、ラブホテルの駐車場まで追い詰めた勇一は、そこで人に言えない彼女の「稼業（少女売春）」を知る事になる。顧客の代わりに彩子を金で買った勇一であったが、肝心のムスコはインポ気味。それでも、以来、「押しかけ女房」となった彩子と仲良くなるうちに、いつしか二人は互いに愛し合うようになる。本作の「彩子」を筆頭に、ヒロインの森下愛子が７０年代後半に見せた演技はいずれも素晴らしく、まさに「永遠の小悪魔」という称号が相応しいコケティッシュな魅力を放っている。

元少年院教官「軒上泊」の原作を早稲田大学出身の知性派監督「東陽一」が映画化した一本。主人公役は、元高校球児の体育会系俳優「永島敏行」。前半は、永島氏扮する反抗的な受刑者「サード」を中心に、少年院のリアルな日常を淡々と描写。慰問にやって来た社会奉仕団体の女性職員を「おかず」にマスターベーションする等、「キレイゴト」ではない「等身大の少年受刑者像」を提示している。後半は、サードが少年院に収監されるきっかけとなった「女子高生売春事件」を回想。特に、少女売春の共謀者である新聞部（森下愛子）とサードが無人の図書館でセックスするシーン（お互いに初体験）は、有名である。可憐なルックスで次々と売春を重ねる愛子嬢の「小悪魔ぶり」は実に衝撃的。後半部に限れば、実質的な主人公は「新聞部（森下愛子）」というべきか。

篠原とおる原作の人気漫画「ワニ分署」の実写版（Ｖシネマバージョン）。ヒロイン役は、ヘアヌードモデルとしても知られる巨乳タレント「白鳥智恵子」。オープニング早々、相方役のセクシー女優「栗林知美（松尾伴内夫人）」と共に、トップレス姿を披露する智恵子嬢。おっぱい丸出しで拳銃をぶっ放す姿は、「クール」というよりかは、最早、「お色気コント」に近いモノがある。その後も全編にわたって「無意味に」おっぱいを露出しまくる智恵子＆知美のセクシーコンビ。刑事ドラマとしては「問題外」であるが、お色気シーンがあってナンボの「Ｖシネマ」という意味では、ほぼ満点の内容となっている。確実に「白鳥智恵子のヌードありき」で立てられた企画。

かつて一世を風靡した台湾人アイドル「ビビアン・スー」出演の官能映画。まだ、日本で芸能界デビューする以前の作品で、いわゆる「ピンク女優（成人向け映画専門のヌード女優）」時代の一本である。一応は、株で大損した恋人と逃避行の旅に出るというストーリーとなっているが、なぜか序盤から血で血を洗うようなえぐい殺戮シーンの連続。「セックス」と「バイオレンス」という、いかにも「大衆好み」の内容に仕上がっているが、少なくとも「セックス」に関しては、実に中途半端。本作の最大の売りとなっている「ビビアン・スーのヌードシーン」は、数か所にポツポツとあるくらいで、ハードな濡れ場を期待して観賞すると、相当がっかりする。

渡辺淳一原作の短編小説「マリッジリング」の映画化作品。ヒロイン役は、業界屈指の清純派として知られる美人女優「小橋めぐみ」。２５歳のＯＬ「千波（小橋めぐみ）」は、公私共に「それなりに順調な日々」を送っているが、セックス途中で力尽きるような甲斐性ナシの恋人に、ややうんざり気味。ある日、新任課長「桑村（保阪尚希）」に食事に誘われた千波は、彼の事を「既婚者」と知りつつ、その洗練された立ち居振る舞いに、すっかり魅了される。後日、桑村と待ち合わせした千波は、ホテルでお互いの体を求め合うと、以降、二人は不倫セックスの快楽に溺れるようになる。「清純派」のめぐみ嬢が主演とあってか、濡れ場は実に他愛もないモノであるが、それでもヌードシーンは思いの外多く、なおかつ、「もっとも脱ぎそうにない女優が脱いだ」という意味では、大いに価値ある一本といえる。

松田美智子原作の小説「女子高校生誘拐飼育事件」の映画化第５弾。ヒロイン役は、シリーズ最年長（当時３８歳）のベテラン女優「荻野目慶子」。慶子嬢扮する女理髪師「治美」を北村一輝扮する男性客「ケンジ」が拉致監禁するという内容。酸いも甘いも知りつくした「三十路の人妻」という、「飼育」するには、若干、無理があるターゲットというべきか。実際、「飼育」というよりかは、ただの「同棲中の中年カップル」といった印象。「女子高校生誘拐飼育事件」という原作のタイトルを考えると、最早、完全に「別物」といえる。ちなみに、本作は「諸般の事情」で劇場公開を見送られた「いわくつき」の作品で、後に発売された同シリーズのセット商品「完全なる飼育BOX 愛の五重奏」の中でも、唯一「なかった事」にされている。

松田美智子原作の小説「女子高校生誘拐飼育事件」の映画化第４弾。ヒロイン役は、後に「ミスインターナショナル日本代表（２００７年）」に選出された清純派アイドル「白田久子（しらたひさこ）」。当時は「ポスト広末涼子」と目されていたアイドル界の逸材である。恋人から３０万円を無心されたヒロインの女子高生「梨里（白田久子）」は、通りがかりの男に売春を持ちかけるが、揉み合いの最中にコンクリートの下へ突き飛ばされる。翌日、見知らぬ屋敷のベッド上で目が覚めた彼女は、やがて自分が小型ワープロで会話する謎の男「タケル（山本太郎）」に拾われ、さらに「監禁」されている事実に気がつく。「か弱き被害者」であるはずの梨里が途中で「ボンテージ姿の女王様」に変貌する等、シナリオは、ほぼ「破たん」気味。「迷走するシリーズモノ」の典型的な見本ともいえるが、ミス日本代表の鮮烈なヌードシーンだけでも見る価値は十分にある。