こうひこうさんのレビュー

一番の見所はスタインフェルドの演技かな。別作品観た時は何でこの子が主役張れるほど重用されるんだ？ と思ったけれど、この作品で納得しました。 アクションシーンの温さはそこが肝の作品ではないので許容範囲内。 一方、追跡が偶然に左右されたあっけない形で終わるのが残念だし、 マティとチェイニーとの間のあの緊張感のなさには流石に引いてしまった。 親の仇討ちに来た娘を眼の前にしてあの会話はない。 それまで夢中で観ていたのに一気に興醒めしてしまいました。ラストも良いんですけれどね。★３‐。

医学部生、潮の満ち引きと上手い条件をつけて人間1人対サメ1匹の戦いにこだわったのは良いのですが、 女優の演技だけで、場を持たせるのは少しきつかったかなあという感想。 主人公の居場所を条件付きながらも安全で狭い場所に限定してしまったのも中弛みの原因。 いくつかイベントを仕込んでいるものの退屈な時間を埋めきれていません。 クライマックスでの挽回を期待したんだけど、サメを間抜けに設定し過ぎでダメ。 基本設定と序盤は良かっただけにもったいない作品でした。

一人立ちした子供さんがいる親御さんならこの映画の良さがもっと分かるのかも。脚本が良いと思います。 ポイントになる箇所でも大仰な演出・演技はないので、漫然と見てしまうと何を伝えたいのか分からないまま 終わってしまう可能性があります（私は2回観る羽目になりましたｗ）。集中できる時に観るのがお薦めです。 デ・ニーロ以外は無名の俳優の方が良かったかな。この作品には華やか過ぎたキャストかも分かりません。 いい映画だと思いますが、本国で大コケ、日本では未公開というのが厳しい現実。 地方都市の映画館の近年の洋画ラインアップはほとんどが特撮物とアニメ。アメリカでも似たような状況なのでしょうか？

お互いに元からの恋人がいるし、出会いから7年（原作はもっと長い）の歳月を描くという面倒な設定が原作にあるので、 特に映画の出来は制作側次第だったと思います。その点映像は最高だし、役者の演技も良いと思います。 しかし、原作のポイントを全て詰め込もうとしたからだと思うのですが、後半からの進行の速さが反則気味で、 それぞれの選択までに必要な理由、過程が所々すっぽ抜け。このあたり原作と違い雑ですね。 また、ラストは原作との違いを出したかったのでしょうが、ギャビーの生死をどちらにでも解釈でき、 余韻よりも疑問の残るこの無責任な（と私は思う）やり方は嫌いです。

ホラー映画としては全く怖くもショックもなく普通なら最低評価をつけるところですが、別の良さがありました。 アイデアで低予算映画なりの存在感を発揮しており、ここで母娘愛描くかという感じで不覚にも少々泣けてしまった。 ウケ狙いやパロディーシーンに関してはそれほど良いと思えなかったため、狙いが中途半端な印象を受けるのが惜しいところ。 個人的にはこの設定なら最高に泣けるホラー映画を目指して欲しかったし、出来たと思う。 それでも、平均程度のホラー映画鑑賞歴がありB級映画が好きという方には、一回観てみる価値ありと言える一本です。

脚本、字幕、時間配分のどれが悪いのかよく分からないけれど、「ループ」の世界が分かりにくいし、 あと一押しが足りず盛り上げ損ねたシーンがいくつかあります。 前者はファンタジーなので何となく分かればよしと割り切るとしても、後者はもったいなかった。特にラストは急ぎ過ぎ。 一方、ユニークな能力を持った子供たちを描き分けてそれぞれに大小の見せ場を作っていた点はポイントが高く、 観ていて楽しかった。 各々の能力もヒーロー物とは違ったファンタジーらしさがあるし、後半になるほど盛り上がる作りは良かったと思います。

基本コミカルに描かれたヒーロー万歳の娯楽作品に違いないのですが、理想と現実の差や悲劇など色々な要素が凝縮されています。 登場人物の説明に時間を取られる一作目だけれども、キャラが立っている人達ばかりなので比較的中弛みは少ない。 印象深い台詞があるしBGMの使い方も絶妙で、このあたりが2回目以降観ても面白いと思える隠し味なのかも。 最強の11歳（？）のヒットガールが事実上の主役という意見に異論はありませんが、平凡人からヒーローに 徐々に成長していくキックアスが上手く引き立てているとも言え、このコンビがあってこその作品だと思います。 なお、少女が銃をぶっ放しまくりますし血も結構飛ぶので、暴力描写が苦手な方にはきつい作品かも分かりません。

終始ダラダラとしたテンポの作品で、それほど笑いも泣きもできずだけれど、何となく温かみのある作品。 主人公と孤児達との心の触れ合いがほとんど描かれておらず、ヒロインのシスターも台詞が少ないから感情移入しにくい。 贅肉でぷよぷよの主人公が最強のレスラーと戦えるようになるまでの過程に説得力 がないからいまひとつ共感を持てないです。 それでも作品の雰囲気、後味が良いのは、ジャック・ブラックの魅力によるものだと思います。

前作までの登場人物が頻繁に話に絡むので、本作単体で観るのは厳しいかな？ シリーズファンの贔屓目だとお断りした上ですが、セリーンがかつてない苦戦に陥るなどマンネリを打破しようという努力は窺え、 何とかアクション映画としての質を保っているとは思います。突っ込みどころの多さはシリーズ共通なので今更気になりません。 一方、言いたくないのですが、ヴァンパイア（セリーン）は歳をとらないけれどベッキンセイルはそうはいかない。 今もなおクールなヒロインではありますが、2作目までのように存在だけで★5つ献上してしまう破壊力はなくなりました。 セリーンの一枚看板ではもう限界のシリーズだと思うのですが、続編作る気らしいです。何とか有終の美を飾って欲しい・・・。

パッケージと予告編見てこれが面白くない訳がないと鑑賞。斬新な世界観が好きだし、リリー・ジェームズも主役に相応しい華がある。 美しくて品の良い姉妹がドレスの内側に忍ばせたナイフや拳法でゾンビを倒すなんてカッコ良すぎ。 なのに、ゾンビとの戦闘にクライマックスと言えるほど盛り上がるシーンがなく、設定を活かしきれていません。 本作の肝である恋愛パートは悪くはないけれど、古風なぐだぐだ感のあるもので、さほど印象に残らず私的には★3つが限界。 決して悪くない出来だと思いますが、興行的に大コケしたせいで最期に匂わせている続編は望めなさそう。 原作があるし本題ではないと言われればそれまでだけれど、エリザベスは最高にクールなヒロインになり得たはずで非常に残念です。

正直バットマンはあまり好きじゃないんですが、評価がいいからと今更ながら観てみたら案外良かったです。 アメコミヒーローは現実離れした能力、強さがあるのが普通だし、そうじゃないと面白くないんだけれども、 このバットマンは夢を壊さない範囲で人間らしいところもあるのが逆にクール。 （アメリカじゃ）有名なヒーローなんだし説明なんかいいだろっていう作りではなく、バットマン誕生の過程 が丁寧に描かれていてストーリーに無理がないのも良いです。ザック・スナイダーに欠けている点ですね（何やかんや言って好きですがｗ）。 流石に超人ぞろいの最近のヒーロー映画に比べればアクションシーンは地味だけれど、悪くはないです。

メリッサ演じる熱血刑事のキャラ設定が受けつければ良し、そうでないと厳しいでしょうか？ コメディ映画の主人公としては、粗暴にして下品に過ぎるというか…。 序盤は笑えたんだけれど、サンドラの存在をもってしても中和できないキャラの濃さに 中盤位からお腹一杯という感じになってしまいました。 アメリカではヒットしたようで、どうも相性が悪かったとしか言いようがないです。

キック・アスのパロディーかパクリかな？位の軽い気持ちで見たのですが、想定外の別物。 本作ではさえない中年おじさんが主人公ですが、現実に普通の人間がヒーローの真似事やったらこうなるかも なあという泥臭さ、血生臭さがある。 エレン・ペイジが無邪気な狂気（と言ったらよいのか？）を見事に演じていますが、 シリアスな役が多い彼女をキャスティングしたのは絶妙でした。 ヒーロー映画を皮肉ってはいますが、ヒーローを否定しているわけではない。（かな？） 爽快感はないけれどインパクトはある「普通」じゃない映画で、「普通」じゃない点が 受け付けつければ2回でも観れる作品だし、そうでないとハズレになると思います。

リメイク版フットルースのウォーマルドが出てるから観てみましたが、 本作では彼にも主演女優にも魅力を感じなかった。 延々と三文芝居を見せられた感覚です。ストーリーというよりも脚本が悪いかな？ 特に良いとは思えないバレエ（ダンス）シーン観るだけの映画でした。

最高に分かりにくくて退屈な作品。憂鬱になりたい人にしか薦めることができない。 分かりにくければ2回以上観ればよいのかもしれないけれど、 その価値があると思わせる責任は制作側にあると思うんです。私には無理。 印象に残ったのはメキシコ麻薬カルテルの残酷で容赦のない殺しの手口だけ。 いっそのこと、そこを突き詰めてくれたなら★2～3程度には納得できたかも。

制作側の意図でしょうが、時間軸が飛びまくるので自分が話について行けているのか不安になりましたｗ 集中して観ないとたぶん置き去りにされます。テーマは何？と聞かれると一言では表現しがたいドラマ。 登場人物の行動は一般的に模範とされないことばかりだけど、脚本、描写、新旧オスカー女優3人の 演技が良いので一定の説得力があります。共感・感動出来たと言うわけではないけど、最後まで見入ってしまう作品でした。

リーマン・ジョーと言う邦題からG.I.ジョーを連想して観ると99.9％失敗します。 色々な場所でコメディ映画として紹介されていますが、笑いを誘う場面はほとんどなく、 個人的にはジャンルはドラマに近いかなと思いました。 単調でキャストもヘイデン位にしか華がないのは欠点だけれど、最後まで観ればそんなに悪くなかったなあという感想。 オチまでは正直退屈だったので★3-。

主人公も少年サッカーチームのママ達もほぼ全員異性にだらしがないので、家族再生ドラマとしては設定が悪い。 設定の悪さをカバーしないまま、空っぽのストーリーで強引に「感動の」ラストに持って行きますが、 真面目に演技しているジェシカ・ビールと子役が気の毒になっただけでした。 キャストは揃っていますが、これでは興行的に大コケしたのもやむなしでしょう。 テンポが良くイベントが適度にあるので、コメディとしてならそこそこ楽しんで観れます。

お互いのことを愛しているのになかなか結ばれない男女を基本緩く時々シリアスに描いた作品。 話が随所でえっ？と言う方向に行くので、こんなにしちゃってどう締め括る気なの？と楽しんで観れました。 無理し過ぎて強引にオチに持って行った感はありますが、悪くはないです。 可愛すぎるリリー・コリンズ補正込みで★4つ。

期待感があったのは開幕だけ。ウィレム・デフォーが出て来た時に予想した通りの展開でまずがっくり。 ヴィン・ディーゼルから替わった主演でがっくり。アクションシーンが前作より工夫なしでがっくり。 合計3がっくりの減点法で★2。 お金はそこそこ使ってるようなのですが、平凡なストーリーで主人公無双させる場合は、 キャラの魅力かアクションシーンの斬新さがないと、途中でBGM代わりの映画になってしまいます。