こうひこうさんのレビュー

欲望に素直な登場人物が多く下ネタも結構あるラブコメ。軽妙な会話のやりとりを楽しむ映画なのでしょうが、 あまりに身勝手な主人公が好きになれなかったため、調子良すぎるストーリーに白けてしまいオチが見えた時点で早送りにしました。 全米大ヒット作品なのですが、笑いも爽快感もなしでとことん相性が悪かったです。

稀有な天才を身内に持った家族の難しさが描かれているのが特色のファミリードラマ。 ストーリーに新鮮味は感じませんでしたが、叔父役と姪役の息が合っていて非常に見心地が良く、 名場面あり名台詞あり笑える息抜き的場面ありで全く退屈しませんでした。 子や孫の才能しか見えていない主人公の母の悪役的キャラ設定は極端だった気はしますし、 過去の出来事について若干説得力に欠けるかなと思った点はありますが、さほどの嫌味・粗は感じず。 個人的には感動したと言うより面白かったという後味の残った映画です。★4+。

現代劇にしてしまうと平凡なドンパチ映画で終わったでしょうが、童話の世界を舞台にしたことで面白くなった印象。 テンポの良い単純明快なストーリーで派手なアクションシーンを楽しめました。お金も結構かけています（5千万ドル）。 白魔女、トロールといった脇役キャラの描写・扱いが雑で軽い作品になったところは残念。 その点を除けばかなり面白いアクション映画でした。 タイトルやパッケージから想像する以上にグロいシーンがあるので苦手な方は御注意を（R15）。

何というか頭のネジの緩みっぷりと奇抜な発想が凄いおバカ映画でしたが、男性モデルの世界が舞台という事で新鮮味もあり。 顔芸等のギャグがツボにはまらずそれほど笑えなかったけれど、楽しいバカ騒ぎを観た気分で嫌いではないです。

自己破滅型のちょっと危うい女の子が主人公のよくある青春ドラマ…というレビューになるかと思いきやまさかの展開。 謎を残し過ぎというか観た人の解釈・想像次第という結末なので好き嫌いが分かれそう。 個人的には、えっ？ここで終わり？という気持ちが7分とやられた感が3分というところです。 ブリットは良い意味でも悪い意味でもさっぱり感のある女優ですが独特の雰囲気は嫌いではないです。★2+。

ヴィルヌーヴ監督作品は残酷な世界（事件）を描写して終盤に観た人の頭の芯をドスンと突くようなメッセージを発信する事が多いのですが本作もそれ。 いつもの事ながら構成は良く整っていたし渇いた描写の出来も良いと思います。 ただ、他の方も書いておられますが、明かすべき真実だったのかどうか自分も分かりませんでした。 また、自分の言葉でなく遺言という形で明かすべき真実なのかどうか？ キャストの年齢・容姿等が物語の辻褄と合いません。兄＝父とサプライズにはなったけれどあざとい。 母に会いたい一心の兄の壮絶な半生が良く説明されていたので胸糞悪いという感情はわきませんでしたが、　 高尚なテーマを扱ったにしてはオチを狙い過ぎの感があり、しこりや疑問が残り素直に感じ入ることができませんでした。

カウボーイが主人公、舞台がテキサスとメキシコということもあってか現代劇ながら西部劇の香りがする映画でした。 不親切な位に回想シーンと現在のシーンの切り替えが頻繁ですが、メルキアデスの顔を覚えていれば混乱することはないと思います。 人間の複雑な内面をゆったりとしたテンポで描いており派手なシーンはないものの見せる力があります。 狂気に近いものを感じさせながらも頑なに友との約束を守ろうとする主人公には気高ささえ感じました。 地味だけれどもじわじわ来る感動というか心地良さがある映画です。

お下品度、ブラック度は低いけれど爽やか系というわけでもなく妙に痛々しい場面も多いコメディで微妙。 アメリカではヒットした作品なのですが、それほど面白いと感じませんでした。

男女の体が入れ替わって・・・という目新しい設定でもない古い作品なのに本当に面白かったです。 小生意気だけど可愛いらしい女子高生（マクアダムス）が中年おじさん（シュナイダー）にというギャップが良かった。 最初はきたねえなあｗという印象も受けましたが、親友役の女優達の力量もあって段々違和感がなくなってきます。 女の子が男の体になるわけですから若干の下ネタはありますが、アメコメとしては爽やか系の部類。 家族愛、友情、純愛などもさらりと取り入れてハートフルな良い感じです。 （中身が男の）マクアダムスのぶっとんだ演技をもっと観たかったと言えば観たかったのですが、 そういう不満を吹き飛ばすほどのロブ・シュナイダーの好演で、笑えて後味も良いコメディでした。

途中まで逆恨みした（と私が思い込んでいた）殺人鬼にげんなりされられるだけで退屈だったし、 所々意図的に取り入れているブレやボケの映像も成功しているとは思えずで見心地は良くなかったです。 早送りにするか迷いましたが、ウィンガード監督だから何かあるはずと信じて最後まで観ました。 結論、ありきたりな作品を撮らないという点だけは間違いのないこの監督らしい作品でしたし低評価にはし辛いです。 ただ、題材自体が殺人鬼の愛と言う感情移入しにくいものだし、（サプライズ性を優先したが故に） その感情移入し難さを覆すような描写もラストまでなかったので、印象に残る・感動するところまでには至りませんでした。 ラスト以外にも見所が欲しかったところです。★3‐。

B級らしいエログロはあるしテンポ・人物描写も悪くはないのですが、主人公の容姿やキャラの癖が強いので好き嫌いが別れそうです。 自分は受けつけなくてお仕置きシーンなどにカタルシスを感じませんでした。 主人公である以上サイコなりのモラルを持たせた方が魅力が出たのではないかと・・・無差別殺人までやらかしたのは失敗かなと。 目当てのカトリーナ・ボウデンが準主人公ながら出番が多かったので個人的に見て損した感はありませんが内容はいまひとつでした。

ぬいぐるみが話して動いてじゃ流石に白けるかなと敬遠していましたが、 テッドの動きや（人間の）役者との絡みが予想以上に自然だったのでおバカ映画好きの私には杞憂でした。 アメコメを見慣れているので、おバカネタ、下ネタ共にそれほど癖の強さや悪ノリ具合は感じず。 （ぬいぐるみなだけに）感動はしませんでしたが、ストーリーもベタながらしっかり。 フラッシュゴードンなど「分からないよ」と言いたくなるマニアックなネタも少しありましたが、 アメコメならではのギャグも多くまあまあ以上に笑えました。

原作やオリジナルが有名ですからオチを知っている方も多いと思われるこの作品。 ミステリーとしてはかなりの興行成績（約3.5億ドル）を挙げたので出来が良いリメイクだろうと期待して鑑賞。 キャスト、セットは無駄な位に豪華だし映像は綺麗なのですが、それ以外にリメイクの価値を感じた点はなく、 オチを知っていても面白かったかと聞かれると微妙と言うしかないです。

「ある存在」の作り物感と病院の杜撰な監禁体制がテレビムービーレベルでベタな緊張感すらなく女優達の絶叫演技が下手に見えてくるほど。 古臭くてワンパターンな演出も予想がつき過ぎてしまって面白くも怖くもありません。 某名作サスペンスの二番煎じのオチは余程伏線の張り方と回収を上手くやらないと何でもありという後味しか残らないし、 巨匠と言われる監督がこれだけのキャストを揃えながら久々の長編でオリジナリティーの欠片もない映画を作った事にがっかりです。

脚本のしっかりした後味の良い娯楽作品で、笑いあり涙ありとはいかないまでもそれに近いものはありました。 鉄板な内容だけに少々物足りない気はしましたが、好き嫌いが大きく分かれることもないかと。 世界的なヒットを飛ばしたということで鑑賞前にハードルを上げ過ぎなければ十分楽しめると思います。

ミュージカルではないけれど歌が満載の気軽に観られるドラマ。 ドラマ部分がちょっと浅い印象を受けましたが後味は良いです。

ライフガードが何故警察の真似事するの？という素朴な疑問を持たないことが本作を楽しく見るコツですが、 粗が目立つストーリーや人物描写に特に見るべきものはなかったです。 アクション、コメディ部分は良い所もあったけれど期待するほどでもなし。 主要キャストが美男美女ですから健康的な水着姿は目の保養にはなるかも。 キャストの中に贔屓俳優がいれば見てもよし、いなければスルーで良いかなという感想です。

ゾンビーバーの造形・動きは意図的にコミカルなものにしており怖くはありません。 前半は少々退屈ですが後半はこの手の映画の醍醐味であるおバカなお笑いポイントはもちろん ブラックな台詞や一捻りある展開もあって面白かったです。エンディング後の挿入歌もお聴き逃しなく。 お笑いポイントが少々マニアックかなあという杞憂はありますが、77分と手頃な尺ですしB級映画好きがくだらねえｗ と突っ込みを入れながら観るには悪くない作品だと思います。

主演ではなかったけれどアントン・イェルチン目当てで鑑賞。 あらすじで想像していた内容とは違いました・・・ネタバレ絶対回避の上鑑賞がお薦めです。 少なくとも何も感じない、考えさせられないドラマではないはずです。 クラダップもイェルチンも歌声が驚くほど良かった。イェルチンは存命中B級ホラーでしか観た事がなかったのですが 「5時から7時の恋人カンケイ」や本作のように純朴な青年役だと別格の俳優になりますね。惜しい人を失くしました。