こうひこうさんのレビュー

着眼点は良いのですが主人公のキャラ設定の悪さで台無しになった感があります。 見る人が母親である主人公を応援したくなるように持って行かないとダメなのに…。 また、伏線を回収しないシーンも多く、現実離れした性能の車以外のアイデアを持ち合わせていなかったのが透けて見えます。 一方、B級映画のヒロイン役がせいぜいと思っていたボウデンは「タッカーとデイル」の時のようなキュートな魅力 はありませんでしたが、登場人物が少なく演技力が問われる本作で上手いとは言えないまでも意外な… と言ってもよい位に奮闘していました。もう少し良い作品で主役を張っているところを見てみたかったです。

本国の評価・興行が散々、おまけに邦題もB級臭がするので長い間敬遠してきましたが拾い物をした気分。 種明かしの過程・結果を楽しむ要素もありますが、主に目新しい設定とテンポで勝負しており ほぼ全編にわたって続くスリリングな展開が見所です。自分が高所恐怖症なので視覚効果も強烈でしたｗ 細部のリアリティーが疎かになっている面はありますし、クライマックスのアクションシーンに強引な点も ありましたが、そういった粗を埋める勢いと面白さがあったので減点する気にはなれません。

赤ちゃんが写っているパッケージからはホームコメディを連想するのですが、蓋を開けてみればR指定も納得 （18は厳し過ぎると思いますが）の下ネタオンパレードなお下品コメディで耐性・理解がある方向けです。 もちろんストーリーなんぞに見所を求めではダメですが、あくまでも個人的な感性・比較ながら、 本国でヒットしただけのことはあって笑える下ネタ・悪戯がある点は評価したいです。 逆に言えば下品なだけで笑えないコメディが多い（日米の笑いの文化の違いも原因でしょうが）という事です。

野心家のレイと職人気質の兄弟との考え方の差がよく描かれていて現実社会を見ているよう。 事実に基づく作品なので当然と言えば当然ですが、それだけキートンの演技や 転機となるポイント等を抑えている描写などの出来が良いという事になります。 なんせレイが癖のある人物ですから観る人の価値観次第で胸糞悪い注意報の出る映画でもあり、 啓発を受け得るであろう映画でもあります。 ビジネスマンとして大きな成功を収めたのはレイに違いありませんが、個人的には 主人公に翻弄された創業者として描かれている兄弟もそんなに悪くない人生だと思いますけれどね。 この3人の内誰が欠けてもマクドナルドが世界的ファーストフードチェーンとなることはなかったでしょう。

序盤に突っ込みどころ満載、また、ホラー映画続編の宿命で鮮度が落ちてしまい恐怖感は前作に及びません。 洞窟内の状況は明るく見やすくなった反面、緊張感が低下する面もあるので一長一短。 とネガティブな事ばかり書きましたが、洞窟内のサバイバルという設定の良さは相変わらず活きているし、 登場人物の個性と人間ドラマもB級ホラーの割にしっかり描かれています。 ただ、謎を残すというよりも続編に繋げる余地を残す事が目的に見えるラストは好きになれません。 結果論ではありますが続編は作られなかった訳で、このストーリーであのラストは完全な蛇足。 辛いレビューになりましたが、ドラマ部分が好きなのでトータルでは観て良かった続編だと思っています。

トラブルが発生し解決したかと思うとまたトラブルという展開がほぼ全編にわたって続き主人公が狂奔します。 普通なら良き協力者が一人位現れるものですが、本作にはそういった人物は登場しません。 一方、それぞれの立場からすると理解できなくもない言動をしていて見苦しい、悪い とは言い切れない登場人物がほとんどなので何ともやりきれない。 胸糞悪さや理不尽さを感じる場面が多い一方で変にご都合主義な場面もあり、オチがなかなか見えてきません。 スッキリ明快な面白さや上手さはありませんが最後まで退屈はしませんでしたし、 映画好きなら一度観ては？とお薦めしたい気もする泥臭いサスペンスです。★3+。

洋楽シーンを熟知している方なら笑えたり嬉しくなるシーンが盛り沢山らしいのですが、 私は残念ながらカメオ出演者の内数人の名前と顔が一致した位。 音楽界のパロディ、風刺についてはさっぱりついて行けませんでした。 主人公達のステージ等洋楽知識関係なく楽しめるシーンもありますが、基本観る人を 選ぶ作品だと思いますので自信がある方はお試しあれ。

パッケージからはダン・スティーブンスの魅力いっぱいのアクション映画を想像していたのですが・・・。 主人公の目的が分からない前半の展開から家族の危機を救うクールなヒーロー物語 になるとワクワクしたのは私だけではないでしょう。そっちかよ！と・・・。 見落としていましたが監督がウィンガードでジャンルがサイコなんですね。一筋縄ではいきません。 裏切られた結果になったパパとママは可哀想だけれど、サイコ映画としては主人公 のキャラ設定と意外な展開は良いアイデアだと思いました。 ただ、ここまで救いのない展開にするのなら、主人公の強さや執念深さはクライマックス で頂点になるような見せ方をして欲しかったし、姉弟特に姉にはもっと両親・友人 を殺された悲しみ・怒りを表現して欲しかったところです。

ホラー＋少々アドベンチャー＆サスペンス。私はこういう映画観た事がなかったので新鮮に感じました。 序盤退屈かも分かりませんが、その間に6人の女性の名前・顔・個性をある程度把握できれば中盤以降面白くなります。 洞窟内の暗い画面が多いので見づらいシーン（意図的なものも含めて）もありましたが、 この状況だからこそ描ける恐怖感やドラマもあるので大きなマイナス要素だとは感じません。 逃げ場のない洞窟内でのパニック状態や人間の暗い感情もよく描けていましたし見応え十分のホラーでした。 他の方が書いておられるように見落とし易い人間関係があり、部屋の電気を消して集中して観るのがお薦めです。

空気感染する致死率100％のウィルスが猛威を奮っている世界を描いたヒューマンドラマですが気分悪い系で、 パニック・サバイバルアクション的な見所も少なく娯楽要素に期待する作品ではありません。 厳しい「ルール」を定めた割に主人公達の衛生面での意識がルーズに見えるシーンが多いのもちょっと白ける。 一方、残酷な世界での綺麗ごとなしの人間の感情・行動をリアルに描いており、観る者にやりきれなさ・ 胸糞悪さを感じさせますが、そこから繋げた虚しさ・切なさが伝わってくるラストは印象に残るものでした。 また、撮影当時はマイナーながら今ではスターの仲間入りを果たしている俳優が多い点も見所の一つです。

麻薬密輸を題材にした不謹慎で下ネタも満載なけしからんアメリカンコメディです。 しかし、ベタなストーリーながらもイベント毎に徐々に強まる4人の絆やそれぞれの精神的成長を 面白おかしくも丁寧に描いており、下ネタでさえその過程に一役買っているからほとんど下品さを感じませんでした。 この点バカ騒ぎをしているだけのコメティとは一線を画しており後味も悪くなく、 自分がこれまでに観たお下品コメディの中では一番楽しく笑えたかも。字幕もよく考えられていると思います。

キャストや映像に華はありませんが丁寧に作られたケイパームービーで脚本に粗は感じませんでした。 ただ、敵役はマフィアのボス的怖さはあっても狡猾さに欠けてとても天才的大泥棒とは思えなかったし、 獲物の盗難防止体制もハードに頼ったものであるため、知能対決には味気なさを感じました。 主人公達の入念な前準備が活きるクライマックスはまずまず見応えがあり後味も良かったです。

Rotten Tomatoesの評価が高いマイナー映画なので鑑賞してみましたが、自分には良さが分からず。 初見の女優ですがヒロインはミステリアスな雰囲気を持ったブルネット美人でこの役にぴったりです。 ただ、ヒロインの言動に不死ならではの歴史の重みがないし、初めて本当に愛した相手が10日程度（？） のつきあいのアメリカ人旅行者と言われても説得力を感じなかった。だって彼女2000年も生きて来たんですよ？ 男の方にも蛸の様な怪物の姿を見てもなお命を賭してまで愛を貫く説得力には欠けます。 交際期間が長いとか魅惑的な造形なら分からんでもないですが、普通蛸見た時点でごめんなさいでは？ この点説得されなければ退屈なだけの映画ですし、納得できれば美しいラブストーリーになるでしょう。

デッド・プールの新作公開もあったしX-MENシリーズも好きだしで久々の再鑑賞。今観ても普通に面白い。 X-MENシリーズは本作以降時系列が遡ったり下ったりで登場するミュータントの面子の入れ替えも激しくなります。 公開順に観終わったら次は時系列順に観直してみると色々再発見があって面白いかも分かりません。

B級らしいアイデアはあるんだけれど、適当にぶっ込んだ感がすごくて何をやりかったのか分からない。 恐らく復讐劇のつもりだとは思いますが、ストーリーが散漫過ぎてどのジャンルの映画の醍醐味も感じられず。 ストーリーに関係ないお色気かバトルだけでも頑張ってほしかったけれど、そちらも話にならないレベルです。

ワイスピのバイク版というレビューを目にしてそんな映画あったんだということで飛びつきました。 ストーリーはこんなものだと思いますが、キャスト特に主人公に華がなかったのは少し残念かな。 最近はワイスピもCGアクションが多くなりましたが、本作は製作年2004年ながらCGが多いです。 基本高速で走っている時は両手（最低でも右手）を離せないし、車より遥かに障害物との接触が危険な乗り物 ですからド派手なシーンを撮ろうとするとCG頼みになってしまうんでしょうね。 しかし、カーアクション映画は巷に溢れているのに対し、バイクアクション中心の映画はあまりないので 目新しさがありましたし、アンリアルなバイクアクションが楽しかったので私は甘めに評価したくなりました。

前半のクールな運び屋ぶりとヒロインとの絡みは凄く好きだしテンポもアクションシーンも悪くないのだけれど、 後半からよくある主人公無双系になっていい味を出していたヒロインの出番が激減したのが残念。 ステイサムに文句はないのですが、もう少しコンビでの活躍を観たかったかなあ。

絶賛するほどではないけれど良い作品だと思います。この映画の良さはアイデアが斬新なところ。 確かに問題が都合良すぎるけれど、クイズ番組に絡めなければ恐らく中の上程度の純愛物語で終わったのでは？ 製作国はイギリスだけれどキャスト・舞台とも中身は完全なインド映画。お約束のミュージカルシーンもあります。

作品の内容（演出除く）が全て事実と鵜呑みにするのは公平ではないと思いますし、彼の行動に対する 賛否もあるでしょうが、作品レビューなのでそういう話は抜きにして良く出来たバイオグラフィだと思います。 告発までの経緯を分かり易く見せた構成・脚本、スノーデンの人となりが良く伝わって来る描写共に満足できるもの。 事実に基づく作品ですし決着がついた事件でもありませんから大きなカタルシスが得られるシーンはありませんが、 告発から5年位しか経過していない話ですし衝撃的な内容もあったので、135分間高い関心を持って観ることができました。

いかにもファンタジーなトゥモローランドやロボットの映像は大きな期待感を持たせるものだったのですが、 世界観の説明が冗長な割に不足している点もあってすぐに退屈になりました。 ヒロインの為すべきことが見えて来る時間も遅すぎて急に大風呂敷広げるような進行も拙い。 一握りの諦めずに努力する人達さえ集めれば明るい未来が作れるというオチも 仮にそれが世界の真理であっても素直に賛同できません。見所は映像だけでした。