こうひこうさんのレビュー

下ネタが多い、騒ぎ方がおバカ過ぎる、ブラック・ジョーク、ストーリーが下らない という要素が全て揃ったアメリカンコメディらしいアメリカンコメディです。 ただ、全般的に抑えが効いていて「比較的」下品さの程度は弱めですし、痛々しいキャラ・小道具・シチュエーション はかなり笑えるもので、アメコメに慣れている方なら恐らく大ハズレにはならないと思います。 クリス・ヘムズワースと大物TV俳優（調べればすぐ分かるのですが、サプライズ要素らしいので一応伏せます） はチョイ役ですから過度に期待してはいけませんが、それなりに存在感を発揮していました。

スケール小さめのサスペンスではありますが、主人公と男との駆け引き・対決が面白かったです。 ただ、犯行計画が確実性に欠ける上に容易に足のつきそうな杜撰なものだし終盤からの主人公の行動にも 突っ込みどころが多く、SFやファンタジーならともかくサスペンスでこのリアリティーのなさというか 脚本の粗さは折角のスリリングな展開を台無しにしかねないものでした。 そう思いながらも最後まで白けずに観られたのは、どの作品でも安定した演技・魅力を見せるマクアダムスと 粘着質な犯人を好演したマーフィの力及び85分にまとめきったテンポの良さによるものです。

まず、実話に「基づく」とは言ってもほとんどが創作・想像の域を出ない作品で、 回収すべき伏線も大してない序盤をここまで冗長に描く必要があったとは思えません。サイコが登場するまで退屈でした。 後半からの泥臭い対決には見所がありました。（日本では）無名だけれどサイコと女優二名の演技が良かったです。 ただし、旅行者側のおバカな、または、人情に欠ける行動が多いので、ここをパニック状態に陥った 人間らしさありと見るのか白けると感じるかで評価が割れると思います。 全体的には期待を下回ったのですが後半は良かったので機会があれば続編を観るかもということで★3‐。

序盤はブラックコメディとして観ていましたし、実際に下手なドタバタコメディよりよほど笑えました。 中盤位から徐々に政治色が強くなり現在ドイツの国論を二分する移民問題なども臆せずネタにし始めるのですが、 一部から反発を受けつつも支持を拡大していく過程は重要なポイント。 終盤にあーこれが言いたかったのねと分かるのですが、ドイツだけの問題ではないですね。 臭い物に蓋をせずに痛烈な社会風刺を交えながらも上手く見せる映画になっています。

色々な要素を盛り込み過ぎて全てにおいて描写が浅くなっていませんかね？ 主人公が最初から最後まで強すぎなのも面白くない。涙も笑いも出ず仕舞いでした。

ポリスアクション映画を色々パロっているようですが残念ながら私が分かったのは「ハート・ブルー」位。 それでも、強引さが目立っても新鮮味のある展開で白けないストーリーと他作品に観られないテンポ、ノリは堪能できました。 クライマックスがありがちなドンパチになってしまったところが惜しく★5にはし辛いけれど十分面白かった。 エドガー・ライトは以前一般的に評価の高い「ショーン・オブ・ザ・デッド」を観た時ノリが合わない監督だと思ったのですが、 本作と「ベイビー・ドライバー」は大好き。一作だけでは相性は分からないものです。

ハリウッド映画を観慣れている身としては、特に序盤のテンポが悪く感じられ集中力を欠きそうになりました。 インドの法律や慣習なども分からないので特に後半の何でもありな法廷闘争は違和感満載。 しかし親子の愛は万国共通。泣かせに来てるなと身構えつつも良いと思える場面がありました。 インド映画は本作込みでまだ3作目なのですが、もっと慣れてから観れば良かったかな。

久々に緊張感のあったゾンビ映画で安っぽさを感じさせない作りも悪くないのですが、 真相が明らかになって以降の展開が駆け足で物足りないのが惜しいところ。 また、登場人物に謎が多いのは傑作レベルなら続編の楽しみになる事もありますが、基本あまり良い印象は持てません。 とはいえ、出尽くし感のある最近のゾンビ映画・TVドラマの中では観られるレベルだとは思います。

ライフラインがストップした世界を描いていますが、パニックやサバイバル要素は薄いヒューマンドラマです。 自然に囲まれた一軒家で姉妹が寄り添って生きていく姿には美しさや切なさを感じたし、パンチには欠けるけれど雰囲気の良いドラマでした。 ただ、とある事件以降の評価が難しくカトリック的な価値観（カトリックだけのものと言うつもりはないです） に共感できないと胸糞悪さが残ります。そこは何とかクリアできたのですが、ラストの決断が唐突にして無茶に過ぎる。 絵になるシーンを撮りたいあまりに粗い脚本のまま突っ走ってしまった印象を受けました。勿体ない。

飛躍した設定なので色々無理はありますが、それでも面白かったです。 前半は主人公の残忍性とクズっぷりに引かされました。意味のあるキャラ設定ではあったのですが、 コスナーのはまり役とは言えず、また、結末に違和感が残るため残忍性は少し抑えた方が良かったかなというのが私の感想です。 とはいえ、伏線が活き始めた後半からのアクションサスペンスにヒューマンドラマをプラスしたような展開には引き込まれるものがありました。 CG映画全盛で本作のようなストーリー重視のアクション映画が興行面で苦戦することが多くなったのは、ちょっと寂しいですね。

ワンダーウーマンの誕生秘話という前知識だけで観たので思わぬ展開に最初は面食らいましたが、 どんどん話に引き込まれて一気に観てしまいました。 話の軸になるのは心理学者夫妻とその助手の「普通じゃない」関係です。 生理的に受けつけない人もそれなりに出そうな題材なのでお薦めとは言えませんが、 個人的にはありきたりの恋愛・ヒューマンドラマよりよほど惹きつけるものがある映画だと思います。

悪ノリ臭のするパッケージで敬遠していたのですが、脇役がブリー・ラーソンにエズラ・ミラー、 （彼氏役がスポーツ医という関係で）レブロン・ジェームズにチョイ役ながらアマーレ・スタウダマイアー、 トニー・ロモとプロスポーツ界の有名どころも揃っていることを知って、彼らの演技観たさに地雷覚悟の鑑賞。 下ネタは多いものの予想以上にしっかりした作りのラブコメで悪くはなかったです。 主人公がもう少し応援し易いキャラ設定ならなお良かったかな。 鑑賞目的の脇役陣もロモを除けば割と出番がありましたし、まあまあ満足できました。★3+。

謎と突っ込みどころは多くグロは中途半端でカタルシスはゼロに近いスリラー映画。 「死ぬまで走れ！」のパッケージの文言から期待したバイクチェイスシーンは大してない上に地味です。 謎だらけなので何かサプライズがあるだろうと最後まで見ましたが、結局何も明らかにしないまま終了。 雰囲気だけは作っているけれど他に何も伴わない駄作でした。

銀行強盗をやらかすお爺さん3人を主人公にしたコメディで不謹慎と言えば不謹慎な設定ですが、 ぬるい映画が好き又は嫌いでないよと言う方なら恐らくハズレにはならないと思います。 3人中最年少のモーガン・フリーマンですらアメリカ公開時には79歳、最年長のマイケル・ケインに 至っては84歳だったわけで、それでもなお存在感を失わない老優達の演技は素直に嬉しくなりました。 脇役ではありますが、クリストファー・ロイドも健在だったことを知ってなお嬉しい。 老優達への贔屓目もあって、ちょこちょこ笑えたし見心地の良いコメディでした。

設定の面白さに惹かれて見たのですがテンションの上がる瞬間がほとんどない作品でした。 主演は美男美女だしロシア映画らしい展開の丁寧さには好感が持てるのですが、 アクションシーンはありきたりでメイクはしょぼい。 また、肝心のヒーローが最後まで弱く、敵方のグールも迫力なしで面白味に欠けました。

家族愛とサクセスストーリーが詰まったヒューマンドラマで鑑賞後清々しい気分になれました。 アメフトに興味がないととっつきが悪いかもしれませんが、オアーの役割が味方選手をタックル等で倒そうとして来る 相手選手から守ったり味方の為に進路を切り開いたりする事とざっくり理解できれば十分だと思います。 実話に基づくという事で脚色部分や描かれていない逸話（娘が女友達を家に呼んだ時の話は笑えます）を調べましたが、 完全創作でも本作ほど出来が良いと思えるヒューマンドラマは数えるほどしかないし評価は変わりません。 本作でオスカーを受賞したサンドラ・ブロックのみならずオアー、SJ役もなかなか良かったです。

主人公（達）をいかにスタイリッシュに描くかをテーマにした様な作品。カメラの切り替えが速くテンポは良し。 4人の女を順番に追っていき最後に一本の線に繋がるという進行なのですが、サスペンスタッチな展開を 期待させた割にはストーリーが主人公達に都合良すぎ強引過ぎで緊張感も意外性もありませんでした。 （欧米基準の）美女揃いで絵的にはそこそこ楽しめますが、ストーリー重視で映画を観る方にとってはたぶん凡作です。

日本の代表的プロスポーツであるプロ野球のドラフトと制度が著しく異なりますので予備知識がないと分かり辛い場面が多いかも。 実在のカレッジ・チーム・選手・コミッショナーまで出てくるのでNFLファンにとってはたまらない要素が揃っています。 あり得ないと思う点も結構あったしこの映画にロマンスが要るの？とは思いましたが、そこは娯楽映画ですし生温かく観ました。 （NFL）ドラフトをここまで掘り下げた映画はないと思いますし、臨場感もショー的要素もあって面白かったです。