こうひこうさんのレビュー

制作側は観客をドン引きさせるのと酷評を受けるのを狙って撮ったんじゃないですかね？ｗ 少なくとも私はこれ以上におバカで下品（お下品じゃなくはっきり下品です）な映画を見た事がないです。 このオムニバスに豪華キャストを揃えたところがハリウッドの凄さ。 以下個人的に印象に残った短編のみ。それぞれタイトルがあるのですが鑑賞中は分からないので役者名で短編を特定。 ・一本目のジャックマン＆ウィンスレットの短編が一番面白かった。 ・クリス・プラットの短編は個人的にはスキップがお薦め。笑えない上に下品通り越して汚い。 ・クロエの短編はこんなことやらせていいの？って感想。でもかわいい。 ・ハル・ベリーの短編も彼女がここまでやるとは思わなかった。まあまあ笑えました。 他の短編は笑えなかったか印象に残らなかったかのどちらかで、もう少し頑張って欲しかったところ。 無駄に豪華なおバカさに敬意を表するなら★1かなとも思いましたが、そこそこ笑わされてしまったのでそこそこの評価にします。

クライムアクションの難しいところで、たとえ犯罪者が主人公であっても応援したくなる （もしくは憎らしくなる）要素がなくては映画としては面白くないです。 カッコ良さや一目惚れから始まるラブストーリーで主人公のキャラづけを狙っているのは分かるのですが、 いずれも中途半端で感情移入できず仕舞いでした。敵であるFBI捜査官や強盗仲間の描き分けも今一つ。 印象に残るようなアクションシーンもなしでつまらなかったです。

王道ホラー／スリラーにみられるショッキングな映像による怖さはあまりないけれど、 話が進むにつれて不気味な感覚がじわじわ増す作品です。 主人公の居心地の悪さが伝わってくる描写と徐々に真実が明かるみになっていく過程は秀逸だと思います。 ネタバレになるので詳しくは書けませんが、娯楽作品として観るにはちょっと内容が重いかも分かりません。

脚本はしっかりしていますし名優達の演技も見応えがありますが、演技力があるだけに癖のある登場人物が 膨大なセリフ量でやらかす度々の口喧嘩にうんざりさせられて、集中力を保ちながら観ていられませんでした。 「世界にひとつのプレイブック」でもそうでしたが、ラッセル監督＆ブラッドリー・クーパー＆ジェニロレ トリオの作品は相手こそ違うものの喧嘩が大好き。 どちらも評論家中心に高く評価されている作品ですが、癖が強すぎて自分には合いませんでした。

ストーリーがどうこうではなく、とにかく主人公がカッコいいと思えたのでこの評価にしています。 爪楊枝の演出や（不必要に）残忍な面など個人的に受けつけない点もあったのですが、 口数の少ない主人公・幸薄そうなヒロイン・絶妙の色感の映像・切ないBGMが相乗効果を出した 作品全体の雰囲気はなかなか観られないものです。 プラトニックな恋愛描写とラストもツボを心得ているなあという感想。 本作がきっかけで同じ監督の他作品も観てみたのですが一発屋っぽいのが残念です。

英国の大富豪の半生を描いた作品。彼がポルノ王だったことから女性の裸が多い（エロさは感じませんでした） という特色はあるものの印象に残ったのはラストだけで、全体的には平坦な展開の平凡な伝記ドラマだと思います。 しかし、イモージェン・プーツがあの特徴のある声で歌を歌う珍しいシーンが観られたのは嬉しい。 上手いと言う訳ではないのですが（ほぼ）すっぴんで歌う2曲目はシーンにマッチして切なくなってきました。 ファンとしてはこれだけで★5つにしたいところですが、作品レビューなので控えておきます。

コングが主役の怪獣映画でオリジナルから大きく舵をとった作品ですが、なかなか面白かったです。 トカゲ以外の怪獣のデザインもまずまず気に入りましたしCGにも粗さは感じませんでした。 逆に人間側は登場人物が多い割に存在感がいまひとつ又は0に等しいキャラが多く、ビジネス上の事情があるのは 分かりますがもっと上手くやって下さいというところ。また、オスカー女優の吹替えに素人使うのは勘弁です。 字幕で観るのに慣れているとこういう時緊急避難できるからちょっと得です。

サム・ロックウェルにお疲れさまでしたと言いたくなるSFサスペンス。 サプライズや緊張感はありませんが、良く出来た作品だと思います。 ただ、展開が平坦過ぎるんですよね。ネタバレするのはもっと後ろにずらして欲しかったです。

「モールス」を気に入ったのでオリジナルの本作を鑑賞。 ストーリーに違いはなく、登場人物の一部の設定と展開が少しだけ異なっている位で両方観る必要は なかったというのが正直なところ。「モールス」の方がややホラー映画色は濃いでしょうか？ どちらを観るべき？と聞かれたら、私はキャスト（演技力）と展開の丁寧さと演出から「モールス」を薦めます。 ただ、同じような作品を見比べると、鮮度の違いでどうしても先に観た方を良く感じる事は否めません。 本作も観る順番が違えばもっと良い感想になったのかも。

サスペンスですし陰鬱な内容、主人公が肩入れしにくいキャラなのは構わないとしても 惹きつけられるような展開がなく特に中盤までは退屈に感じました。 サスペンスの肝になる真相に近付く過程も明らかになった真相も突っ込み所が多過ぎてサプライズ感も爽快感もありません。 キャストこそ豪華ですが残念な作品でした。

珍しい後味の映画でそれだけでも高評価にしたいです。二人の子役の演技は文句なしだし構成も良い。 よく考えればこれほど残酷な物語はそうありませんが、本編では切ない感情の方が勝ったのが救い。 素人目にもCGが粗すぎる点とクライマックスのテンポが良すぎる（物足りない）点が ケチの付け所ではあるのですが、二回も観てしまったので評価は最高にします。 オリジナル作品があるようなのでそちらも観てみたいと思いました。

公開当時に観ていればもう少し斬新に感じたと思いますが今観る限りは普通でした。 それでもゾンビ映画の名作と言われている一本なので今更ながらでも観て損はなかったです。

場面毎のアイデアがいまひとつだし、部分部分で不必要に主人公に甘いストーリーにしたのがダメ。 折角の緊張感や非力な主人公を応援したくなる感情を作り手自ら台無しにしています。 監督の力量次第で低予算でも佳作になり得る基本設定は非常に良かったのにもったいない。

残酷で知られるメキシコの麻薬カルテルとの麻薬戦争を題材にしたえらいへヴィーな内容でした。 主人公同様に観客も事態をよく把握できないまま展開する構成が良かった。 リアリティーがあるのかどうか私には分かりませんが、綺麗ごとも救いもない世界を緊張感たっぷりに描いた アクションサスペンスで、面白いという訳ではないけれど暫く頭から離れない映画です。

パッケージから連想するほどコメディタッチでもなく割とシリアスな作品なのに、ライフライン完全ストップ のパニック状況がいまいち伝わって来ずぬるいシチュエーションムービーの感は否めません。 未曽有の惨事とサバイバルを表現するのに必要な場所と製作費がもっとあれば（たとえばこの状況で火事が起これば・・・とか） なあという邦画を見た時にありがちな残念感は拭えず仕舞いでした。 とは言え、限られたリソースの中で下手に大風呂敷を広げず一家族のみにスポットを当てたことによって 見られる内容になっているのも確かで、（洋画派ですが）邦画頑張れという気持ちがわいてきました。 派手な略奪・暴力のシーンがないのも、非常時でもお行儀は良くないとダメという日本らしさがあって、 現実にこのような事態になってどうなるかはともかく、映画の設定としてはありだと思います。 トラブルや家族以外の人間との交流描写がやや淡泊に過ぎた印象だったので、もう少し盛り上げて欲しかったです。

実在したカルト教団にまつわる話ですが、主人公はじめ架空の登場人物とフィクション部分が多いようです。 しかし、娯楽作品にしようという意図は見えず、社会派ドラマ・サスペンスとして観るべき作品だと思います。 クライマックスから急に御都合主義満載な展開になったのは残念ですが、 過激描写を控えながらも教団の異常性や緊張感が伝わってくるなかなかの出来。 エマ・ワトソン主演ながらも種々の理由で興行はさっぱりだったようですが、 個人的には同じく彼女主演の社会派ドラマの「ザ・サークル」より断然良かったです。

暴力とグロをいかにスタイリッシュに描くかというのがテーマの作品？ 暴力描写耐性はある方なので見るのが無理というよりも退屈でした。 ジェシカ・アルバ登場まで見るつもりだったのですが途中でギプアップ。 モノクロの映像が感性に合えば楽しめたのかも。

キャラに魅力は感じないもののアクションシーンの撮り方はさすがマシュー・ヴォーンでした。 一方、この人ならではのえぐいシーンがあることは予想していましたが、肝心な部分の印象が 吹っ飛んでしまいかねない悪趣味なシーンがあって、ヴォーンファンの私でも引いてしまいました。 もっとも、個人差の出る点でありますしそこだけで全体を貶すつもりはなく、 中弛みはあるものの徐々に盛り上がる展開のあるスパイアクションだと思います。