ふじわらびさんのレビュー

新章、フォーカスが向けられるのは矢野。思いが通じ合ったように見えてもそんなに簡単にはいかないよなあ。嘘が苦手な矢野が嘘でできた世界に惹かれるというのが面白い。

今回はラフタリアに焦点が当たる。ラフタリアが奴隷になった経緯が語られることで、ナオフミとラフタリアがともに同じ存在に貶められたことがわかり同じ方向を見るようになる、という流れなのかな。

やはり成り上がりだからということか、またもや苦境に陥るナオフミ。というか貶められたというべきか。宗教とか社会的要素もチラッと見え隠れするんだけど、結局糞王女め！という話になるのかなあ。

今回は料理より戦が多かった印象。家康も信玄も料理を叙情的に受けとれる教養があるんですよね。どちらも度量の深さがうかがえてカッコよかったです。

1ページ単位でカラーと白黒(通常通り版と同じ)が混ざっているのが読んでいてちょっと混乱するが、ここは見たかったという所は概ねカラーになっている感じで良かった。

これまで新キャラが登場しリリエルによって救われるという展開が続き、それはもちろん悪いことではないがあまりに「熱い」展開が続き息が詰まりそうになっていたのも確か。そんな中ノノアとアリアが仲間になったことでキャラクターの関係が多角的になり、また違う面が見えるのではないかと期待。それはそうと番外編以外ではサービスシーンが全然なくなってしまったのはどういうことなんだろうか。

思わず「下らねー！」と叫びたくなる良い漫画。設定としてはベタで古くささもあるのだけど、それを気にさせない元気なテンションが面白い。

エピソードとしてはギュッとたくさん詰まってる感じがありますが、ラストに「波」が来ていることから１ヶ月ちょっとしか経ってないんですよね。結構な大活躍してる訳で実際聖人って言われるだけのことはしてるのか。

いろいろとギスギスしていたり重苦しい要素もあった中、それを踏まえて大きく話がまとまったスペクタクル感が。暗い展開に負けないだけの明るい雰囲気が良かったです。

作中でもラフタリアが驚いてますが、主人公のさわやかな笑顔が印象的な3巻。フィーロの登場によって明るく華やかな雰囲気になったのは確かだが、ラフタリアもまた変わってきた様に見える。丸い顔がよい。

いよいよクライマックスという雰囲気だけども、主人公側も黒幕も出たとこ勝負という感じでどうにも状況が整理されてない印象だ。これまでの数々の謎や伏線はちゃんと回収されるのだろうか。そして何故最終巻である10巻が配信されてないのか？

これまでもそうだったけど今回のピンナップの攻めっぷりはすごいですね。サマコバ社編は話としては気軽にどうこう言えない重苦しいものですが、ストーリー展開としてはお仕事物の王道のような雰囲気でしたね。

事態の重大さの割りには敵が小物だったこともあり大きな展開にはならず。こういう三下系のキャラも嫌いじゃないけど、結局伏線ばかりが積み重ってる印象。

急激にラブコメ濃度が上がったと思ったらさらに突然の急展開。ぷらぐがこんな風に惚れるのは意外だった。「作中でも恋に恋してるのかも」という言及はされるけど。

かなり強引に店員に引き込もうとする店長を始めイイ性格をしてるキャラばかり。演技しているという前提もあり、それぞれのキャラクターに他人との壁がある感じ。この距離感が新鮮だった。

すじ表現、めちゃくちゃ飛ばしてますね。今回はこれまで提示されてきた会社視点がよりクローズアップ。漏電ちゃんも別に悪役ではない中でのバトルはどちらが悪者になることもなく、緊張感もありシリアス一辺倒でもないほのぼのさもあった。

ちょっと感動的なイイ話というストーリー展開ではあるものの、同時に良かったね！では終わらない要素がチラホラと。

ラブコメかと思いきやお仕事物だった。突っ走りがちな主人公の活躍が必ずしも肯定されはしない、という構成がビターな感じ。感動的なところから一歩引いてるような雰囲気というか…。スーツの表現はかなり攻めてる。

まっとうに、という言い方も変だけど面白くて驚いた。ギャグにしても勢いがあって楽しいし、性によって肯定される様が感動的でもあった。

ゲームのパロディ的要素、つまり界隈のスラングやネトゲ用語を前提とした下敷きがある漫画なのですが、なんというかこなれていて安定感があります。ほのぼのとしたイチャイチャも良いですね。