YOU44さんのレビュー

1度目は 「中部ブロックノービスA」第1グループ 4人の演技が並行して描かれるシーン。 転倒した2人が諦念の中歯を食いしばる。 2度目は同じ第1グループの最後 敗退した熱海SCの子。演技の描写はなかった。 「車で何度も送ってくれたこと…映像が… 頭の中…何回も流れてきて」 静岡にはリンクがないから名古屋に何度も 連れてきてくれた。 車を運転するコーチの姿が子供の目線で描かれる。 この子は一生忘れないだろう。 これにはグッとくる。 勝者だけでなく、敗者で感動を呼べる作品は 名作だと思う。 「私スケートは一番頑張った人が勝てる 競技じゃないって思ってる。 だから状況に期待したりしない」 名港ウィンド?3八木夕凪が言う。 四葉の驚いた表情。 コーチが思わず「すごい」とつぶやく。 諦観がすごい。 そしてその後トイレで…これはギャップ萌えるわ。

本巻を読む前に『僕の心のヤバいやつ』第6巻を読んだ。 『僕ヤバ』第6巻の初版は2022年。本巻は2012年。 10年、内容的にはどちらも素晴らしが なんとなく違いを感じた。 『僕ヤバ』は自虐があってもすべてに優しい。 本巻は徹底的、容赦なく厳しい。 どっちが良い悪いではなく時代の空気なんだろう。 谷川ニコ先生は『私の友達が…』の4コマを読んで ビビッと来た。 コロナ前。インフルエンザ流行で市中が マスクしてるからって漫画の登場人物が マスクする必要性はないだろうという話だった。 谷川先生の芯を食った指摘が素晴らしかった。 「ラジカルを優しくオブラートに包む」 良作2つに時代の変遷を気付かされたのだった。

第1巻を読みだした頃 司の熱血ぶりにほだされて 「今時、熱すぎないか？」 といぶかしんだ。 「巨人の星」ほどではないにしろ クールとか塩対応が今風ではないかと 思ったのだ。 でもまあ確かに今でも 「鬼滅」にしろ「ワンピース」にしろ 「ブルージャイアント」にしろ熱いのものがある。 そこで考えた。スポ根と今風の違いは何か。 司は「理凰さん」「いろりさん」と呼ぶ。 「さん」付けなのだ。 司に限らずコーチたちは皆温和に見える。 もしかしたら今時の甲子園の監督も こんな距離感7日も知れない。 この辺がキーな気がする。

1級まではいろんなことがあったが ふとみると5級になっていた。 しかも翌年2回目の名港杯。 作者の描きたいことが分かる。 登場人物も微に入り細に入り。 白土三平『カムイ伝』はあらゆる 人物が描かれているという。 『水滸伝』もそう。 本作のような重なりが幾重にもなると そういう評になるのだろうと思う。（よくは知らんけど） 憧れの鴗鳥慎一郎に頭を下げられた司と 理凰と対面したいのりの衝撃はいかばかりか。 理凰の総太へのなつき具合も良い。

「名港杯初級女子FS編」の ミケと那智コーチが良かった。 「９歳で（（ミケ）太郎みたいな芯がある 生意気な奴どこにもおらんぞ！ ほんの一握りしか上に行けないスポーツで 周りのご機嫌のために その個性を埋めてどうすんだよ！」 「強い方が正しいんだ正しいから勝つんだ アンタのままでもアンタは絶対強くなれる」 「曲げたくないもんを あたしら2人で正しいことにしていこうぜ」 こんなこと言ってもらえたら子供は嬉しいだろう。 そしてミケが言う 「ナッチンは変だ… 言うことが全然大人らしくない」 その後京都の思い込み激しい「鹿本すず」も登場する。 （そんなのばかり） 「根拠のない自信」を肯定って素敵だ。

普段はあまり読まない系の作品だが 身内が良いと言うので読んでみた。 「熱い！」 今時こんな熱血、流行るのだろうか？ と思ったら『ワンピース』に『ブルージャイアント』。 結構ある。いつの時代もこういうのみんな好きなんだな。 内容的には『ダンス・ダンス・ダンスール』を 彷彿する。 「しゃべんなブスエビフライ！」 それとミケ太郎のGETバチン！ キャラが濃くて、毒舌で、顔バチン。 激しい！いのりのふわふわした感じが際立つ。 彼女の学校や家庭での不遇には同情する。 確かに人より劣った感って心に影を落とすのだ。 個性的な登場人物と相まって いのりの成長物語。楽しみだ。 ミミズな…

第3話のドヤ顔見て 山田を十代のガッキーに演じて欲しいなって思った。 作者さんも意識してるんじゃないかなあ。 小学生でもJKでもない、 人生においてすごく短い期間、 そして稀有で尊い時節を 丁寧にユーモラスに純粋に描いている。 心温まる良品がここにある。

表紙は制服放課後デートで映画行った時の二人。 今回はお仕事の現場が出てくる。 「おねえ」のたこ焼き屋と 山田の早朝モデル撮影現場。 後者は流石ギスギス感があるかなと 京太郎よろしく身構えた。 早速のイケメン登場。 京太郎の「なんだこの服…」がつらい。 次にイケメン差し入れの高級マカロンに対し コンビニで買った京太郎「わんわんケーキ」。 コンビニ袋を持って佇む京太郎の後ろ姿に 涙が出そうだ。思わずその場を立ち去る京太郎。 わかる。 でもね…イケメンもスタッフも看板スターも 実は人間味があっていい人たちなのだ。 優しさがにじみ出るこの場面は良いなあ。 「市川くんって案外モテるんだって」 罪のないばやしこの発言に反応する 山田の表情が可愛い。

『チ。』が完結した。 最終集と知った時は驚いた。 今一番の人気、話題作。いろんな賞もとった。 内容からもまだ書き続けられるだろう。 意地悪な言い方をすれば、まだまだ儲かる。 同じように完結に驚いたのは 『鬼滅』と『進撃』だったか。 失敗は『BLEACH』と『NARUTO-ナルト-』。 古くは『ドラゴンボール』。（個人的感想です） 桜じゃないが人気絶頂で散る美ってある。 きちんと終わらせることが作品愛と語ったのは 『バクマン』だったか。 『チ。』の完結にそんな潔さ、こだわりを感じた。 さらに言えば「なぜ作者は本作を描いたか」と思う。 その動機、意欲、情熱、工夫、根気は何だったのかと。 そして思う 手塚治虫の『アドルフに告ぐ』しかり 最近読んだとよ田みのるの『これ描いて死ね』しかり。 クロミヨンズは『ほかには何も』で 「やらずのいられない事をやるだけなんだ ただそれだけ」 と歌った。 『チ。』の作者にもは描かずにはいられない 衝動があったのだろう。 そして根気よくそれを描き尽くした。 読者として、名作が生まれる瞬間に立ち会えたこと、 同じ時間を共有し、気概に触れられた奇跡に 感謝したい。

このところちょっと読み慣れてきてたが 巻頭38話が目の覚めるような傑作だった。 一気の面白さ。こういうのがあるから伝説になる。 天才なのだと思う。

美人のニューフェイス登場。 「一条みちる」。 この綺麗系は嬉しい。 美術での「デッサン無理…」は笑える。確かに。 作者のセンスに脱帽。 「わたしをまっすぐ見て」「わたしを見るどの目とも違う」 「見透かされてるようで…」「でもわたしを見ていない…」 「またわたしから目を逸らしている」「なんて不思議なの」 みちるの言葉はみこのすべてを凝縮している。 どういう存在なんだろう？興味は尽きない。

なに？これすごく面白い。 『好きなオトコと別れたい』がすごく面白くて 本作をひもといた。これも負けじと面白い。 藤緒あい先生、もっと有名になっておかしくない、 というかもうすぐブレイクするんじゃないだろうか。 （もうブレイクしてる？）。 アニメとかも良さそう。絶妙のセンスだ。 表紙を見てたから予測はついたが やっぱり誰もがトビラの胸出しセーラー服は 理央と思うだろう。 ここで寄原を持ってくるのはニクい。 寄原も可愛いよ。胸大きいし。 ふと真田広之と桜井幸子の『高校教師』が 頭に浮かんだ。（観てないけど）

何でも結びつければ良いってものではないが ふと頭に浮かぶ、彷彿するものってある。 何かの因果なのだと思う。 本作は霊の描写がかなりエグい。 いままでこの手の作品は苦手としていたが 本作は不思議と読める。 可愛い、萌え系だからからも知れない。 それでもやっぱりエグさにたじろぐ事が多々あって 前にこんなのあったなあと頭を巡らしたら 『彼岸島』だった。あれもエグい。 楳図かずお、伊藤潤二ほどではないが 読むのに勇気がいる。 「GotoHELL映画盗人！」とか ブラックがきいてるのも本作の魅力だ。

村上春樹の『海辺のカフカ』を彷彿する 猫惨殺かと思った。 ジョニー・ウォーカーと遠野善先生。 「友達のため…」 すごく嫌な存在としての遠野だったが 急転見事な落とし所だった。 （もう一ひねりあるとこがなかなか） 「もう自由にしてあげて」 みこにとっての画期でもあった。 多分こうやって一つ一つ答えや救いが 見つかっていくのだろう。 単なる可愛い系とか萌え系ホラーとは 一線を画してる。 映画『シックス・センス』のような深みのある 味付けに目が離せなくなった。 ユリアの便所飯の図は衝撃だった。 その後サラリと流す所に作者の優しさを感じる。

だいぶ禍々しい感じになってきた。怖い。 （話を変えて）確かにミスドの ポン・デ・リングは数珠に見える。 ユリアが「ナマンダブリング」って笑える。 作者のセンスを感じる。 恭介（みこの弟）がユリアに 「どこ小？」って訊く。こういうとこな。

感心するのは一貫したみこの分析する姿勢だ。 それがこの作品のモチーフになっている。 騒がない、逃げない。全力で見えないフリをする。 だから面白くて、健気で、可愛くて、不憫。 このミックスした感情が未曾有の面白さを引き起こす。 「見える」だけでなく「見ないフリ」が オリジナリティを創っている。 みこがなぜ見えるようになったのかはまだわからない。 ハナが意外とキーだったりするのだろうか。 「三人の微妙にズレてる感じの友情すき（かわいい）」 と作者が言っているが同感。 「キメラ」とは異質同体の怪しいもののこと。

第1巻で山田を 「僕が今最も殺したい女だ」 と妄想していたことを思い出す笑。 それが遠い過去に思える今巻だ。 何よりも表紙がヤバい。（身長差もヤバい） 前巻でハグに驚いたが 何と今巻は渋谷でデート。 「隣の試着室で…カップルが乳繰りあっている」 「つらい」「助けて」 試着室での姉からのラインはかなりくる（笑える）。 だからからか秋田での姉の表情には… グッと来るものがある。作者さん、絶品だな。

「中二病の陰キャ」を主人公にした 画期的な作品だと思う。 今思えば「陰キャ」の元祖と言えそうなのが 『エヴァ』のシンジ。 「陰キャ」にスポットを当てたのが 『俺ガイル』の比企谷八幡かなと個人的に思う。 そして「陰キャ」をポップにしたのが 本作だと思う。 「違うやつは親からして違うな～」 36話ついに母親登場。興味深い、面白い。 「ナンパイはキライだけど あんな顔見たくなかった」 「僕が勝手に山田は他の人間とは 違うって思ってただけで 嘘、偽りで人を傷つける汚い大人と 変わらないのでは」 浮かれない、自虐、自己抑制… 「中二病」「陰キャ」がブレない。 そしてそれを乗り越えて来るスーパーな山田杏奈。 心をわしづかみされる。 ナンパイ彼女が図書室で山田の反応に 「マ？」って驚く表情が印象深い。

第1巻を読んでこれは面白いと唸った。 ラストのお父さんも流石だった。 読んでいて映画『シックスセンス』が 頭に浮かぶ。 昔から霊が見える人の話はそこそこあったが 「見える子」としてポップになったのは 本作の功績だと思う。 今巻ではユリアが初登場。 霊もかなり強化されてきた。 不穏すぎない、ちょい可愛いのがミソか。 ほっこりも。 『シックスセンス』もそうだったが 霊との関係が少しずつ変わっていく予感が嬉しい。

自宅の寝室で不倫セックスって デビッド・リンチ監督の映画 『マルホランド・ドライブ』みたい。 欧米では多いみたいだが日本でやる理由って 何だろう？ラブホあるのに。 元モー娘。の矢口真里もそんなだっけ？ 性的な興奮があるのかな？ 現状は月輝子がいじらしい。