赤運太郎さんのレビュー

日本が中国に侵攻した時代、 粋なやり手商人の旦那と天才的だが 変わり者の京劇役者の友情物語、全49話。 瓔珞のスタッフが作っただけあり、 人物描写の巧みさと視ているものの感情を 揺さぶる演出が素晴らしい！ はじめは京劇、しかもBLっぽいのはちょっとな～と 苦手意識が先行したが、観てみると 男同士の恋愛や絡みは一切なく、京劇シーンの 美しさとハラハラドキドキする展開に 夢中になっていた。 特に天才役者なのに中身は幼子のようで いつもトラブルを起こすけど、食べっぷりが 可愛らしくて憎めない周先生と、彼に振り回されても 何度も許して助ける二旦那の器の大きさと格好良さ、 彼らの感動的でコミカルな関係が全編通して 非常に魅力的だった。 華流ドラマらしく敵役の憎ったらしさや陰険な罠、 足を引っ張る身内の馬鹿っぷりに毎回イライラさせられるが、 話がテンポ良く進むのでそれも良いスパイスになっている。 ただ、後半35話辺りから日本軍が出て来て重要人物が 段々と亡くなり、雰囲気が非常に重くなる。 日本軍がかなり横暴に振る舞うので、日本人としては 見てて辛くなった…そして彼らの喋る片言っぽい日本語、 これも聞いてて辛い。 終盤は観てて明るい気分にはなれず、ラストもあれ？っと 言う感じでしたが、前半から中盤までは面白くて美しく 素晴らしいドラマでした！

極めて優れた才能を秘めながら 能力を封じる鎖に縛られた主人公が 悪の組織と戦う武侠ファンタジー、 全48話。 前半は工夫しながら強敵を打ち倒すバトルや 主人公に関する謎や仕掛けが色々あり 面白かったが… 師匠が亡くなり、鎖が数本外れた中盤から 急失速。 派手なバトルはほとんどなく、ダラダラと どうでもよいエピソードが続き中弛み。 主人公も強い設定の割にすぐ気絶したり、 ここぞという見せ場でやられるので なんとも鈍臭く感じてしまう。 終盤やや持ち直すが、どんでん返しで 勢力が三すくみになった事で関係性が複雑になり、 重要人物が亡くなったりとスッキリしない 展開が続く… ラストは一応丸く収まってはいるが、長い割に 見た甲斐のない残念なドラマでした。