テニアンさんのレビュー

条件が揃いすぎ。 伝統的家族郷土社会が色濃く残る地方から都会へ出て成功を実現させた人物が祭主で、1988年オリンピックを開催させ名実共に先進国の経済的豊かさを手に入れた頃に製作された映画。 なので、ヒト・モノ・カネが溢れている。

ズバリ永久不滅の作品。 新聞で男女交際の出会いがあった・・・ということは、21世紀の現代にリメイクするならば出会い系サイトの顛末とも言える。 熱演された小林トシ子さんがとてもとても印象に残りました。長生きしてください。

中興の祖蓮如上人。この時代以降も各時代で伝説的人物が登場する。続編を期待します。

真宗門徒でなくても学校の日本史で『浄土真宗開祖親鸞』『歎異抄唯円』は脳に刷り込まれている 。でも内容に関しては何だかさっぱり・・という方には一見の価値あり。

令和の現在、戦国時代がアニメの基準で強制変革されてしまっているので作品に追いて行けない。民族的感覚が着実に失われているのだなと悲しい現実に打ちひしがれる。

農村の子沢山を防止するための映画なのでしょう。戦争に勝利もしくは休戦で海外領土を保持していたとしたら果たしてこのような内容になっていたでしょうか？

戦争も戦後の混乱も何のその。とにかく暗いところが無いのがいい。社会体制に押し潰されずに生きる強さを見習おう。

劇中のように当時は苦難の連続だったのでしょう。警察予備隊が創設された遠因の一つかと推察致します。

日韓条約締結の頃です。 劇中描かれるイメージはバブル崩壊の頃まで根強く日本人を呪縛した。 当時の人口の何パーセントが『マーケット』を利用するというのか？都市部商人の業界の内輪揉めを過大に描きすぎである。都市は『京の都』と呼ばれた千年以上前からよそ者を吸収し続けてきたではないか。

アメリカ太平洋艦隊が存続し続ける限り前線将兵の士気鼓舞のために、最新映像技術の披露機会の場としても日米海戦の歴史は格好のテーマであり続ける。乞う次回作。

映画鑑賞者は史実(作戦の展開)は学習済みだろうという前提で制作されているのか確かに期待外れの内容である。

後世から見れば大正世代の青春期は昭和恐慌・治安維持法から始まって以降明けても暮れても暴力暴力そして戦争戦争で映画は軍の検閲で本作品の内容はまず確実に上映不許可であろう。終戦後下半身が生物体・裸体レベルの解放をして快楽は享受できたものの精神的・理性的に後世の謗りを受けると怖れて『記録』を残したのではないでしょうか。こんな恋愛全人口の1％?と思うくらい階層を絞って極めて『上品』に作ってあります。東京から出征して行くシーンが秀逸で逆にGHQが不許可を出さなかったのが不思議なくらいである。

太平洋戦争映画史で着実に進歩を続けているのが空戦シーン。東宝は大日本帝国時代からこの分野で最先端ですから今作品もそれを期待ました。もう満足です。凄い。完璧では？ 零戦は日本固有の領土の外で用いられた『侵略の兵器』なので、今後は『本土防衛』でその名を天下に知らしめた紫電改でひとつ作品を作っみては？日本国は先守防衛の国ですから実態に合うし。

戦後生まれが怒涛のように出産可能な年齢に達した本作品上映の時代。先の大戦の戦場体験世代はまだ生殖能力が残っている。大人の分別があるはずの発電所の所長さん。痴情を確認した後に猟銃で殺して自分も自決してしまった。彼は仕事一筋であろう、そして晩婚、子なし、妻の浮気。命が惜しければ危険な情事は止めておきなさいという警告メッセージ。

強調点は・・・豊富な物量。栄養給与満点。常に攻勢かつ優勢な戦局。国のため家族のため。 否定或いは隠匿している点は・・・占領地住民。敵軍捕虜。慰安施設(戦後に暴露される)。 こと空軍の世界に限れば基地のなかは異国にいることをほとんど(全く？)感じません。

本作品をみれば戦争相手国は容易に対抗策を立てられる。レーダー、雨霰のような弾幕、VT信管、最新鋭戦闘機。戦意高揚と人材育成を両立で堂々と公開映画を作ってしまったのが戦争相手に手の内を見せる結果になってしまった。

戦争は終わったなどと言っているのは基地とは無縁の人々だけである。米国の青年が希望もしない日本の基地に駐留しているからこそ日本のほとんどの若者は血を流さなくて済むことを知らねばならない。 最後の場面で小学校教師が国会議事堂前を歩いているのが意味不明。周囲を塀で囲まれた閉鎖環境で子供相手の世間知らずの人が危ない駆け引きとかレイプとは無縁の身分だとでも言いたいのか滑稽極まる。

映画公開は1964年。作品の時代は日露戦争直前。 昭和初期に勃興した新興宗教が終戦を境に爆発的に勢力を拡大し昭和30年代にはその多くが政治勢力を保有するまでに至った。その中心的人物のほとんどがこの映画にみられる、この時代の「奉公人」経験者だった。昭和の中頃「奉公」に代わる「就職」の青年達が20年後30年後我も教祖になってという・・(悪循環?)。少しでも賢い者は高等教育の場=国家(=米国?)に取り込むよう文部省をして青少年啓発のため製作させたとみるのが深読みである。決して明治生まれのための回顧作品ではない。その証拠に英語教育のシーンが何度も登場する。何故日露緊迫している最中に英語教育なのか？

興行収入が期待出来なくても映画製作に至った動機は、当時世界一といわれた人口港であれば官民一体のドキュメンタリー記録に価するということであろう。 一企業単独の製作ならば建設工程の記録映像を並べただけで全体は画きようがない。世は国家プロジェクトの時代である。 国営放送局にまかせたら反対派利権グループの暗躍などはカットするのが普通であり一点の曇りもない計画立案者の妄想実現映画になってしまう。 やはり清濁合わせているからこそ本作品の価値はあるといえる。土地投機を映像化したところが秀逸。百年以上の古民家がブルドーザーで次々になぎ倒されていくのは正に世紀のワンシーンである。これらはもはや『郷土博物館』にしか存在しない。これが日本列島改造の最先端の現場だったのだ。 水戸水戸と散々呼称しているというのに水戸駅前をキチンと撮っていないのが理解に苦しむ。無許可のゲリラ撮影レベルの日陰者的映像なのが残念。

この時代の地方財政は財源不足のため全国的に競輪場建設ラッシュであったことも見逃せない。その視点で鑑賞するのもまた良し。